給料袋の時代

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コラム
今どきの給料日はペライチの紙を渡されるだけですが、
30年ほど前の給料はまだ手渡しでした

封筒の厚みを手から実感する瞬間です
「自分で働いた金!」
を手で持つのです

給料日当日は事務室に受け取りに行きます
事務員の机には
全員分の給料袋が並べられています
受け取るときに
他の先生の封筒をちらっと見ます

20代の封筒は薄く、年配の先生は分厚いのです

当然ボーナスも手渡しで
年配の先生の封筒は立つ!
という噂も立ったほどです

うらやましくもあり
自分の将来を見るようでもあり
来月も「頑張ろう!」
と思わせてくれる日です

そういえば
ある先生が不注意にも
帰りがけ
外を歩きながら
ボーナスの袋を開けてしまったことがあり

万札が空を舞ったのを目撃しました

全部戻ったのかは
教えてくれませんでした

そんなことがあったからではないでしょうが

その後給料は口座振り込みになりました
その途端
今まではなかった
ボーナスからの共済(厚生)年金掛け金徴収も始まりました

手取りが大きく減っただけでなく
振り込みになったせいで
自分が手で持つこともなく
給料日は数字の確認だけの日となります

給料日は妻が銀行に行き
下ろして、支払いに振り分ける日

給料日=支払日

になってしまったのです

あれ以来
退職まで一度も
給料を「持つ」ことは
ありませんでした




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