「書店員は見た! 本屋さんで起こる小さなドラマ」
著者:森田めぐみ
出版社::大和書房
2024/5/25初版
著者は実際に書店で働くママ店員さん。
主婦向け雑誌で連載されたミニコラムを書籍化したようです。
連載までの経緯も気になるところですが、とにかくこの書店員(著者)さん、コミュニケーション力が凄い!
ご自身から人に話しかけるのが苦ではない(といより、つい話しかけてしまう?)のに加えて、
知らない人に道を聞かれるなどのエンカウント率が高く、ただ話を聞いているだけなのに相手が泣きだす率も高いという・・・。
まるで天然カウンセラー。
素晴らしい能力だと思います。
本は、短いエピソードで構成されているので、すき間時間にも◎
お客様や知人との、本を通したこころの交流がとっても素敵です。
これが全部体験談なんて本当に凄い。
淡々と仕事をこなすだけでなく、人と関わる意識と感受性があるからかなぁと思いました。
文面からも著者さんが人に向ける温かい眼差しを感じられて、会いに行きたくなる本です。
さまざまな人生を垣間見れるので、お悩み解決のヒントにも、とてもいいと思います。
自分以外にもこれで悩んでいる人がいるんだ、と思えたら、少しほっとできますよ。
エピソードとセットでおすすめ本も100冊紹介されています。話題の本からマニアックな本まで、ジャンルも多岐に渡っていて流石、書店員さん。
私も本が好きなので、書店や図書館によく通いました。でも、店員さんとこんな風に交流することはなかったなぁ。
その時は自分の内面的なことで、自己完結を目指していたからかもしれません。
対面で誰かと話すより、本のほうが自分の内面の深いところへ語りかけてくるような感覚がありましたね。
文字や絵の視覚情報は、自分のペースでかみ砕くことができるからかもしれません。
会話だと容赦なく時間で流れて消えてしまうことも、文字だからゆっくり追えるし、考えながら進められる。
わからないところで立ち止まってもいいし、繰り返し読んでも本は怒りません。
そんなところが、のんびりマイペースな私に合っているのかもしれません。
内向的な人でも、共通の本の話題があれば、生き生きと話してくれたりもしますね。
もちろんマンガでもいいと思います。
行きつけの本屋に、話しやすい店員さんがいてくれたら、楽しいだろうなぁ。
でも、立ち読みしにくくなりそう(笑)
ネットが広まったころから、本はいずれ無くなると言われてましたが、本の魅力はただ情報を得るためだけではないんですよね。
私は、本は残っていく方に一票です。
個人の小さい本屋さんが減って、大型書店が生き残っていくように思われましたが、ここ数年はさらに個人の「棚だけ書店」というようなスタイルが出てきましたね。
ふらっと立ち寄った店頭で、今までと違う価値観に気づかせてくれる本や、こころを軽くしてくれる本に出会う。
このときめきは、人との出会いに近いトキメキがあると、私は思います。