何年やっても勝てなかった時期がありました。
毎日チャートを見て、ノートを埋め、検証をしても、結果は安定しない。
その頃の私は、“知識”を積み上げているつもりで、実は“感情”を積み上げていました。
勝てない理由は、テクニックではなく、自分の中にあるノイズだったんです。
第1章:「分析するほど、負けが増えた」
初心者のうちは、「もっと分析すれば勝てる」と思いがちです。
でも、実際の相場は“正解”より“確率”で動く世界。
私も、MACD・RSI・ボリンジャーバンド……と、あらゆるインジケーターを試しました。
けれど、それらが揃ったときに限って負ける。
後で気づいたのは──**分析すればするほど、エントリーの根拠を“感情で補っていた”**ということ。
自信の裏には、いつも「負けたくない」という恐れがありました。
第2章:「感情を捨てる」のではなく「感情を仕組みにする」
よく「感情を捨てろ」と言われますが、実際には人間は感情を捨てられません。
私がしたのは、感情を“データ”として扱うことです。
たとえば、焦ってエントリーした日には、ノートに“焦りトレード”と書く。
その回数をカウントしていくと、感情にもパターンがあると気づくんです。
そこから私は、「裁量ではなく“条件”で動く」ようになりました。
条件を満たさなければエントリーしない。
つまり、“判断”ではなく“仕組み”で自分を制御する。
それが、のちに私が確立した「無裁量手法」の原点でした。
第3章:「シンプル=楽」ではない
無裁量にしてから、トレードは静かになりました。
でも、それは“楽になった”という意味ではありません。
ルールを守る苦しさがあるんです。
条件が整っていないのに“入りたい”と思う自分と、毎回戦う。
無裁量とは、実は“自分の感情に勝ち続ける仕組み”のこと。
そこを誤解すると、「手法を変えてもまた同じ場所に戻る」ことになります。
結論:「勝てるようになる瞬間は、“変えなくなる”瞬間」
勝てるようになった日を境に、私は何も“変えなく”なりました。
新しい手法も、情報も、もう必要ない。
“変えない”ということは、“信じられるものを持てた”ということ。
そして、それこそが、無裁量の本当の強さです。
トレードを安定させたいなら、
新しいものを探す前に、今の自分を観察すること。
それが、あなたの“本当の手法”を作る最初の一歩です。
結び
次回は、私が10年かけて作った「相場との距離の取り方」──
つまり、“見えすぎないように見る”という感覚について話します。
これは、相場と心の間に“静けさ”を作るためのコツです。
トレードに疲れた人ほど、きっと楽になると思います。