高校卒業してすぐにプロの仕事ができた理由(アニメーター編1

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デザイン・イラスト
(前回の続きです)

油絵とかアニメーターとか、私の経歴を見て「こいつ何がやりたいんだ?」と思われる方も多いと思います。実際、活動中に(特に男性)から、そう言われたりもしました。

最初から書きますと、そもそも
小学生の時は、マンガ家になりたくて
中学生の時に、マンガ制作に行き詰まり、絵画の方を褒められ
高校生の時に、美術部に入部(のちに部長)。デッサン・油彩画を学び
卒業したのち、バイトしながら通信制で油彩画を勉強したり、趣味で描きつつ
「絵で食べていきたい」の思いが強かったので
経歴不問のアニメスタジオに通うようになる(歩合制なので就職ではない)
という経緯でして。
これ、まだ19歳あたりまでの出来事です。1980年代。

もともとはマンガ家になりたかったのに
そこの難易度が高すぎたのと
でも、美術と言いましょうか、ヨーロッパ絵画も大好きだし
自分の中では一緒だったので、絵に関われれば何でもよかったのです。

で、アニメスタジオですが。その「1枚100円」の。

平均の収入が、一ヶ月目で1万円。
一年続いた人でも、平均5万円くらい。
相当早い人がいましたが、その人でも10万円。

これはアニメ動画清書1枚について発生する報酬で
原画を鉛筆で専用の紙にトレスする仕事なのですが
原画は1秒8枚全てにあるわけではなく
例えば、振り向くシーンなどは、後ろ姿と前向きの原画しかないわけです。
物によってはキャラデザインのサンプルがあったりしましたが
無いものもあったかな? とにかく昔のことすぎて記憶が曖昧です。

つまり、振り向く途中の顔は、動画マンが自分で描かねばなりません。
なので一ヶ月に1000枚描いている人でも下書き(中割)を入れると1.7倍の絵は描いていたことになります。

特に「振り向き」は途中の顔でキャラとデッサンが崩壊しかねない
難易度の高い仕事で、慣れて来ないとやらせないし
動画チェックの人のオーケーが出たとしても
チェックの人が後で修正して提出していたようでした。

ちなみに、一番簡単なのが「口パク」の「口」です。
開いた口と閉じた口の原画と、途中の口はその二枚の中間の口を描きます。
「口の絵」だけで100円なら、何ともラッキー。
ただ、セリフに当てる口の指定は動画マンがやる仕事でした。
開いた口を①、中間の口を②、閉じた口を③ だとしますと

「なんだと、もういっかいいってみろ」
「①③①②、①②①②①②①③②③②」
みたいな感じです。

あ、か、さ・・・は優先的に①
ま、み、む、め、も、ん・・・は優先的に③
あとは①②を交互にします。同じものが続かないように。

顔のセルと口のセルが別であれば楽ですが
時々、喋りながら動いているものもあり
その口も大抵のものは、こちらで判断して描きます。
丁寧に原画が入っているものもあったかもしれませんが
多分、予算があったものでしょうね。

(つづく)
※ヘッダー画像は私が描いた油彩画の作品です。

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