高校卒業してすぐにプロの仕事ができた理由(アニメーター編2

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デザイン・イラスト
(さらに前回の続き)

当時の動画は、アニメ専用の紙に鉛筆で線を描いていました。
コピー機のようなものに通すと、セルに黒い線が写るのです。
そしてセルの裏面から、彩色の人が、指定されたセル用の絵の具を線からはみ出ないように塗っていました。

私たち動画マンは、ライトテーブルと呼ばれた、曇りガラスが乗っていて、その下に蛍光灯が入った机で、原画を動画用紙に透かした状態で、息を飲むようにしなやかな線を描きます。
原画と原画の間の「中割」の絵は、原画が使えれば、それを使いながら指定された動きでアタリをつけて下書きを作り、ザッと動画ができたら、下書きと原画のトレスを動画チェックの人に見せて、修正を加えてもらってから、清書をします。

テレビアニメは特に締め切りがうるさかったので、1カット分の封筒を渡される時に、大まかなスケジュールを言われます。慣れた頃は、ほとんど「急ぎ」だったように思います。

やったアニメは「プロゴルファー猿」「エスパー魔美」「マンガ日本経済入門」「F」などなど。
劇場版は、孫請けみたいな仕事で、ほとんど1カットでしたが「AKIRA」「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」「ドラえもん」などです。

「AKIRA」は、公開が延びに延ばしすぎて、配給が限界になったらしく、大友さんは不本意だったようですが、外注にばら撒かれました。セルが多すぎて、特殊なセルを使用したようです。1秒くらいのカット、通常は一人で受け持つのですが、10人がかりでやった記憶があります。映像でも、瞬きをしたら見逃しそうなところまで動画になってて(普通は1秒なら動かしません)、スタジオ内がやや興奮気味だったように思います。

アニメスタジオは、接客のようなこともなく、本当に描いていれば良いし、辞める人も多かったせいか、スタッフは大人しくて優しい人ばかりだったと思います。

ただ、私は新人の割に成績がよかったもので、少し嫌味を言った人はいたかな。

収入が低いので、独立できる人はほぼいなくて、実家から通う人ばかりでした。年金や国保の関係もあり、私の親もブチギレてしまい、アニメスタジオは辞めることになりました。

それでも、人物の動きや苦手な絵と向き合うことができて、そういう意味では、とても勉強になりました。
テレビアニメの作品の中には、テロップで名前が出たものもあります。

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