戦略性とは
「戦略性」は、クリフトンストレングス(ストレングス・ファインダー)の34の資質のひとつで、先を見通す力や、複数の選択肢の中から最適解を素早く見極める思考力を指します。
たとえば仕事で新プロジェクトを始めるとき、頭の中で何通りものシナリオを瞬時に組み立て、「もしこうなったら」「この選択肢をとったら」などを次々にシミュレーションしてベストな道筋を選び出せるのが特徴です。日常生活でも、「週末の過ごし方」や「家族旅行の計画」を立てるときに、誰よりも先に複数のパターンを想定して準備を進めるかもしれません。つまり戦略性とは、“見えない先を読む直感”と“シナリオ構築の巧みさ”が融合した資質と言えるでしょう。
戦略性がもたらす強みと注意点
強みを活かすポイント
多角的な視点からの問題解決
戦略性を持つ人は、一つの答えを追うだけでなく、複数の選択肢を並行して考えられます。困難な課題に直面しても、横道を見つけやすく、周囲の人が思いつかないような手段を提示しやすいでしょう。
例として、プロジェクトマネージャーの立場であれば、進行上のリスクを事前に洗い出し、緊急時の「代替案」を常にいくつか用意しておくことが得意です。先を読む力がチームを安心させ、スムーズに仕事を進める土台を作り上げます。
意思決定のスピード感
戦略性が高い人は、「結果を見通す力」のおかげで意思決定が素早く行えます。大まかな全体像が頭の中で自然に描けるため、迷いが少なく、迅速に行動に移せるのです。ビジネスシーンでは、複雑な状況でも直感的に判断でき、的を射た決断を下す頼もしさが際立ちます。
先回りしてリスクを回避できる
戦略性によって、ネガティブシナリオも含めた“先読み”がうまくはたらくため、トラブルを未然に防ぎやすいという強みもあります。次に起こりそうな問題点を察知し、あらかじめ対処策を考えておくため、危機管理能力が高いと評価される場面も少なくありません。
注意点やデメリット
慎重になりすぎて行動が遅れる場合がある
戦略性の強い人は、あらゆるシナリオを想定できるがゆえに、最適解を追い求めすぎてスタートが遅れてしまうことがあります。先を読むことに集中しすぎると、「完璧な条件が揃うまで動けない」という状況になりやすい点には気をつけましょう。
周囲から理解されにくい思考プロセス
個人の頭の中で複数パターンを同時進行で考えているため、「どうしてそんな結論に?」と周囲がついていけないことがあります。自分としては自然に決めたつもりでも、周囲には論理の飛躍が大きく見えるかもしれません。上司やチームメンバーへはプロセスを可視化してあげると良いでしょう。
方向性がコロコロ変わると思われる
多数のシナリオを検討していく過程で、一見“ブレている”ように見られてしまうリスクがあります。「柔軟に選択肢を切り替えている」という自覚があっても、周囲には「決めたことをすぐ変更する人」と映る可能性があります。明確に理由を説明する姿勢が大切です。
セルフコーチングで戦略性を深める10の質問
ここでは、戦略性という強みをより意識的に活かすための自己対話(セルフコーチング)の質問を10個紹介します。質問の背後にある意図や、答えるときのヒントも参考にしてみてください。
「過去に自分の戦略性がうまく働いたと感じる出来事は何だったか?」
意図: 成功体験から強みの具体的な働き方を把握する。
ヒント: プロジェクトリーダーとしてリスク対策がうまくいったエピソードや、旅行プランを友人の中で一番先に立案した経験などを振り返ると良いです。
「その出来事において、どのようなプロセスで最適解にたどり着いたか?」
意図: 思考プロセスを言語化し、再現性を高める。
ヒント: どんなシミュレーションをしたか、何を判断材料にしたか、意識と無意識の両面で考えてみましょう。
「戦略性が働いたとき、周囲はどんな反応を見せていたか?」
意図: 自分の強みが周囲に与える影響や評価を再確認する。
ヒント: 「頼もしい」と言われたのか、逆に「どうしてそんな結論に?」と驚かれたのかなど、ポジティブとネガティブの両面を振り返ると良いでしょう。
「複数のシナリオを考える際、いつも不足しがちな情報や視点は何か?」
意図: 戦略性の“偏り”に気づき、リスクを減らす。
ヒント: 数字的根拠を後回しにしてしまうのか、人間関係の温度感を軽視してしまうのかなど、パターンを探ってみましょう。
「いくつかの選択肢を検討するとき、どんな基準で優先順位をつけているか?」
意図: 意思決定の軸を明確にする。
ヒント: “短期的なメリット”“長期的なリスク”“チーム全体への効果”など、あなたが重要視している要素を書き出してみましょう。
「あえて完璧を求めずに素早く行動を起こすためには何が必要か?」
意図: 慎重になりすぎて動けなくなることを防ぐ。
ヒント: 70点で動き出すルールを作る、期限を先に設定するなど、行動を促す仕組みを検討してください。
「自分の戦略性をさらに伸ばすために、誰の意見を取り入れると良いか?」
意図: 思考の幅を広げる外部リソースの活用。
ヒント: 自分とは違う強みを持つ同僚や、専門知識を持つエキスパートの視点を取り入れるとシナリオの精度が高まります。
「周囲に自分の考えを共有するとき、どのようなステップを踏むと納得を得やすいか?」
意図: 戦略性の思考プロセスを“見える化”し、信頼を高める。
ヒント: 根拠やメリット・デメリットを整理したうえで図解やスライドで説明すると、周囲の理解を得やすいでしょう。
「戦略性を活かして解決したい課題は、今の自分の周りに何があるか?」
意図: 強みを具体的に使う機会を探索する。
ヒント: 仕事だけでなく、プライベートや趣味の中から「もっと良いやり方はないか?」と考えられる場面を探しましょう。
「今後のキャリアや人生において、この資質をどんな形で最大限に発揮したいか?」
意図: 未来志向で自分の強みを活かすビジョンを描く。
ヒント: 具体的な役職や目標に限らず、「どんな働き方をしたいか」「誰の役に立ちたいか」といった要素も考慮してイメージを広げてみてください。
戦略性を活かす行動アイデア
ここからは、戦略性を活かして日々の生活や仕事で使える具体的な行動アイデアをいくつか紹介します。どれも明日から実行しやすいものばかりなので、ぜひ試してみてください。
定期的な“先読み時間”を設ける
1日のどこかで15分でも構わないので、「先を読むための時間」をわざと確保します。特に翌日のタスクや週末に取り組むことをイメージしながら「どんなリスクがありそうか?」「どの順番でやるのが効率的か?」を考える習慣を作ると、戦略性が自然と磨かれます。
可視化ツールを使いこなす
マインドマップやフローチャート、タスク管理アプリなどを活用して、頭の中のシナリオを整理してみましょう。視覚化するだけで、「実はここが抜けている」「この部分は複雑すぎる」などの発見があり、戦略性をさらに高めやすくなります。
意思決定の基準を3つに絞って共有
周囲と一緒に意思決定をする際には、「今回の判断の基準はA、B、Cの3つ」とあらかじめ簡潔に示しましょう。そうすることで、あなたの思考プロセスが理解されやすくなり、方向転換があっても周囲が納得しやすい利点があります。
小さなプロジェクトで試作品を作る
大きなプロジェクトをいきなり完璧に仕上げようとすると慎重になりすぎるため、まずは小規模にテストしてみる方法がおすすめです。「試しにやってみる」ことでフィードバックを素早く得られ、あなたの戦略性もさらに発揮しやすくなります。
逆方向からのシミュレーション
先読みをするとき、ゴールから逆算するプロセスを意識してみましょう。最終的に目指す姿を明確にし、「その手前のステップは何か?」を逆にたどると、気づかなかった盲点や近道が見えてくるかもしれません。
ストレングスコーチングを受けることのおすすめ
セルフコーチングは自分の思考を振り返る上で大変効果的ですが、さらに客観的な視点を得るためには、プロのコーチングを受けるのも非常に有効です。特に戦略性が強い人は、頭の中で複雑に組み立てたシナリオをうまく言語化しきれず、外から見ると「どうしてそうなるの?」と思われがちです。プロのコーチは、あなたの思考プロセスを整理しながら質問を投げかけ、最適な方向に導いてくれます。
私が提供しているストレングスコーチングならば、あなたの「戦略性」を客観的に捉えたうえで、具体的なアクションプランを一緒に考えてサポートしていきます。自分自身では気づきにくいクセや習慣を見つけ出し、強みをより活かせる場面を拡大するお手伝いをいたしますので、ぜひ検討してみてください。