【ロボット技術の進展と健康運動】福岡大学スポーツ科学部2019年2月5日実施

記事
学び

(1)問題


以下の文章を読んで、後の問いに答えなさい。

① からだの動きを支援する、とぃぅことについて考えてみよう.=歩くのが困難な高齢者は、杖を使っており、これは歩行補助に役立っている。また、何らかの疾患によりからだが不自由になってしまった場合は、装具と呼ばれるからだに固定してからだを支える道具が必要になる。上下肢を切断してしまった場合は、義手や義足による支援が必要になることもある。


② ここで、人工のからだをもつロボットについて考えてみる。現代のロボット工学は、機械工学、電気通信工学が発展したメカトロニクスを含む学問分野である。

③ 現在のロボットは、工場や家庭で人間の代わりに仕事をするものから、人が身につけることで、人の動きを助けるものまで広い範囲で、我々の生活の中に入ってきつつある。

④ 現在はまだ人のように動けるロボットは存在しないが、まるで人の姿で人のように動くロボットとして、ヒューマノイドロボットの研究・開発が進められている。モータにより関節を動かし、人の腕のように動作するアームを組み合わせることで、多くの関節からなる複雑な機械としてのロボットができあがる。近年では、骨格筋のように屈筋と伸筋を備えたロボットも開発されており、今後も発展が期待されている。
(出典;征矢英昭・坂入洋右.『たくましい心とかしこい体』大修館書店、2016年7月)

問1 本文を参考にしながら、これからの健康運動の新たな可能性について、あなたの考えを800字程度で述べよ。

(2)考え方


ヒントとなる情報を以下に貼り付けておきます。

ロボット.png



(3)解答例


 現代のロボット工学の技術革新はめざましい。この技術は医療や介護の分野に進出している。介護士は腰痛になることが多いと聞く。重い高齢者を抱える動作が腰に過重な負担を与えることが原因である。しかし、ロボットスーツを装着すれば、腰の負荷が軽減される。この技術はリハビリテーションにも応用されている。センサーを皮膚に貼り付けるだけで、皮膚表面から漏れ出る微弱な信号を読み取り、装着者が意図する動作を認識する。これにより装着者の意思に沿って動きをアシストしたり、ふだんより大きな力を出したりすることが可能になる。

 このようなロボティクスの成果はスポーツ科学にも応用可能である。四肢にセンサーをつけて選手の動きをモニターする。そして、この情報をロボットに移し替えることにより、選手の姿勢や体の動きをチェックできる。従来はビデオ録画によって一方向から平面的にしか見ることができなかったものが、全方向から立体的に捉えることが可能となる。

 AIが将棋の名人を破ったことが衝撃を持って報道されたように、人工知能はビッグデータの迅速で正確な解析を可能にした。身体情報のビッグデータの解析をAIロボットに委ねることで、従来、職人的な勘や伝統に頼ってきたスポーツ指導の方法に革新をもたらすことになる。この技術は選手指導のみにとどまらず、ロボット審判の導入などスポーツに新しいシーンをもたらすことになる。

 スポーツ科学の分野において、このようなロボティクスの技術を積極的に取り入れることによる効果は、単に競技の勝敗に資するのみに留まらない。選手の健康管理ひいては国民の健康増進に大きく寄与し、これからの超高齢化社会が直面するさまざまな課題を解決する糸口になってくれることになるにちがいない。(743字)



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