【持続可能な農業/人口減少と高齢化】東京農業大学農学部農学科推薦入試小論文2018年

記事
学び

(1)問題


「持続可能な農業」に必要な取組についてあなたの考えを述べなさい。

(2)問題の背景


「持続可能な農業」が困難になっている背景を以下に挙げます。
①地方の人口減少と農家の高齢化→農業従事者と耕地面積の減少
②食料自給率の低下
③気候変動
それぞれの問題について、以下に解説します。

(3)地方の人口減少と農家の高齢化


全国東京都の人口の推移.png
上のグラフにあるように、地方の人口減少の原因は東京の一極集中で若者が進学や就職を機会に生まれ故郷を離れ、東京などの大都市に転出して、戻らないことが挙げられます。
日本の総人口自体も2015年から減少が始まり、少子高齢化の問題はいまや人口減少社会へと事態が深刻化しています。

高齢化の推移.png
地方の人口減少は農業就業人口の減少へとつながり、後継者不足となり、農業の高齢化が進行しています。

農業就業人口の減少・高齢化.png
後継ぎのいない農家の農地は、当人が亡くなったあと、誰も耕すことのない耕作放棄地となり、その面積は増加しています。

農地面積の推移.png


(4)食料自給率の低下


わが国の食料自給率の低下は年々減少し、いまや40%を割り込んでいます。

日本の食料自給率の推移.png


これは先進国のなかでも低い水準です。

食料自給率の低下の原因としては、農業就業人口の減少のほかに、貿易の自由化により海外から安い農作物が大量に輸入されることもあります。

国産の農作物は味や品質、安全性の面では輸入品を上回るものが多いのも事実です。

しかし、低迷する経済事情のなかで少しでも価格の安い農作物を求める消費者の指向を変えることはできず、国内の農業は輸入品の前に苦戦しています。

(5)気候変動

異常気象による農林水産被害.png
地球温暖化による台風の増加・強大化や夏の猛暑は身近な問題として私たちは実感しています。

このような異常気象は農業にも深刻な被害を与えています。

農家は保険に加入して対策を講じていますが、自然を頼みとする農業は先行きが予測できない不確実性を伴います。

農業は安定収入の確保が困難な業種でありビジネスとして見た場合、大きいなリスクを抱えています。

(6)考え方


上に挙げた農業の持続可能性を阻害する課題に対する対策を考える。

いま農業が直面する課題として、ほかに「食の安全と安心」の問題がある。

この課題を解決に導くことによって、消費者の国産品に対する信頼を取り戻して、輸入品に対抗することができる道が開ける。



多少高くても、美味しくて健康によい安全で安心な日本ブランドを確立することが農業の持続可能性にとって大きなポイントとなる。



また、テクノロジーを用いることで省力化や効率化をはかり、いわゆるスマート農業を推進するという方策もある。



工夫とアイディアにより、付加価値の高い商品を開発し、生産性を向上させる。



農業の担い手として、株式会社の参入という動きも指摘される。



システマティックで生産性の高い経営や販路の開拓など、マーケティングのプロによる新しい農業も試行されている。



(7)解答例

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