【業務改革ブログシリーズ 第6回】
「優先順位」を見極めて、動ける現場をつくるヒント
1. はじめに:全部はできないからこそ「どこから」が大事
業務改善を考えるとき、誰しもこう思います。
「やりたいことは山ほどある。でも、何から手をつければいいんだろう?」
実際、現場を見ていると課題は多岐にわたります。
在庫管理、作業の属人化、情報共有、紙の帳票…挙げればキリがありません。
そこで今回は、「全部を一気に」ではなく、“今やるべき1つ”を見極める方法をご紹介します。
2. 日本の現場でありがちな「全部しっかりやろう」の落とし穴
前回5.5回では、「頑張ってもしょうがないことを明確にしよう」という話をしました。
これは、改善の優先順位をつけるうえで非常に大切な視点です。
特に日本の中小企業では──
• 「せっかくやるなら、全部きちんとやりたい」
• 「中途半端なことはしたくない」
• 「現場にも納得してもらいたい」
というような真面目で丁寧な気質が強く出る傾向があります。
これは素晴らしい強みでもありますが、業務改善の現場では“動けない要因”にもなりやすいのです。
例えばこんなケース、ありませんか?
• あれもこれも…と広げすぎて、着手できずに1年経ってしまう
• 比較検討ばかりで、「まずやってみる」ができない
• 一度に全社導入 → 現場がついてこれず、かえって混乱
• 「やらされている感」が現場に残って、定着しない
3. 中小企業に合う「ちょうどいい改善」の考え方
そこで大事なのが、“部分最適”から積み重ねていくアプローチです。
いきなり理想の全体像を求めず、「現場が困っていること」よりも「業務インパクトが大きい部分」から着手する。
ポイントは3つ:
• 負担の大きい業務を選ぶ(時間がかかっている、属人化しているなど)
• 定量的な効果が見えやすい業務にする(KPIで“成果”が可視化できる)
• 改善後の「便利さ」が現場で実感できるものにする
4. 例:在庫管理から始める“ちょうどいい改善”
たとえば「在庫管理」。
これは多くの製造業にとって地味ですが、改善インパクトが非常に大きい分野です。
よくある課題:
• 在庫がどこにどれだけあるか、結局現場に聞かないと分からない
• 入出庫の履歴が紙や口頭ベースで記録され、ミスが発生する
• 月末にならないと在庫過多/欠品に気づけない
ここに仕組み化を入れると、どう変わるか?
• 入出庫の履歴を日々記録し、在庫数が自動集計される
• 誰が見ても「今の在庫」「過去の履歴」がわかるようになる
• ExcelやAccess、SharePointなどで一元管理し、いつでも確認可能
5. 在庫管理のKPI活用:数値で“異常”を早期にキャッチ
仕組みを導入するだけでなく、KPIで「気づける状態」まで持っていくと、改善効果が飛躍的に高まります。
例:在庫管理のKPI
• 在庫回転率:一定期間でどれだけ在庫が回転しているか
• 在庫日数:1つの品目が在庫として滞留している平均日数
これらが設定した基準値を超えた場合にアラートを出すようにすれば、「いつの間にか在庫が積み上がっていた…」という事態を防げます。
→ KPIの例:
「在庫日数が90日を超えた場合、自動で担当者に通知」
「在庫回転率が閾値を下回った品目一覧を毎週出力」
気づける仕組み=行動が変わる仕組みです。
6. まとめ:優先順位をつける力が、改革を前に進める
• 業務改善は、“やる順番”を間違えると成果が出づらくなります
• 中小企業では、まずは部分から着手して、現場の納得感と成果を積み上げることが重要です
• 在庫管理のような「定量化しやすい・効果が見えやすい」業務からのスタートがおすすめです
7. 次回予告
次回は、「その業務フロー、大丈夫?手戻りを減らす見直しのヒント」をテーマに、
非効率の原因を見つけ、改善案を出す方法をお届けします。
※この記事でご紹介したような「中小企業に合ったしくみ化」は、
実際に現場の業務をヒアリングしながら、一緒に整える形でご支援しています。
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