子育ての'秘訣'!?

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人生の黒幕はやはり「親(家族)」!?

 今回はフィリッパ・ペリー先生著の『自分の親に読んでほしかった本』(日経新聞出版:英)の内容をもとにお話します。

 こちらの書籍はすでにYoutubeなどの映像でも紹介されていますが、改めて児童心理学を身につけた私も含め、「全人類必読書」と言っても過言ではありません。

 ずばりですが、結局「人生の黒幕はやはり'親(家族)'」だということです。
 詳しくは別の書籍などの内容をもとにお話しますが、私も含め「発達障がい+HSPスペクトラム(繊細さん)」という併存当事者がこの世に'存在'する以上はやはり'身近な人間関係'-とりわけ母親からの影響を強く受けた結果なのではないかと思います。(だからこそ、児童心理学や家族心理学の研究を強く求めます!!!!)


子育ての遺産は連鎖する
 「人生の黒幕はやはり'親(家族)'」なのはこの上記のためではないかと思います。
 まずは皆さんの子ども時代を思い出してください。どのような家族でしか?
 そして今現在子育て中(0歳~12歳のお子さんを抱えた)皆さん、どのように子どもと接していますか?

 結論として、「(過去に体験した)あなたの行動や感情」がそのまま子育て活動に反映されていると思います。
 もちろん、地域性や時代によってずいぶん子育て活動も変わりました。とりわけ、出生率1位の沖縄県と最下位の東京都は子育て活動に対する価値観が180度違うものでしょう。

 しかし人間も'生き物の一種'である以上、必ず'親(家族)'の影響を多大に受けているはずです。
 繰り返しですが、「子どもは自力でお金を稼ぐことはできません」。「親を始め周りの大人の庇護(保護)がなければ生きていけません」。

 「大切なのは家族構成ではなくどう暮らしているのか」とペリー先生が述べた通り、多様性が叫ばれる現代社会において家族構成は'あくまで形'でしかありません。シングルファミリー(片親世帯)や親がLGBTX(Q)、里親世帯など何でも構いません。それは(子どもの)発達や成長への影響はほとんどないと書籍では書かれています。

 むしろ、親(家族)が同居だろうと別居だろうと、実家族(生みの親)だろうと養家族(育ての親)だろうと「変化を受け入れ、変化とともに動き、変化を利用できる方が変化に抗うよりも有益です」。

 人間は元来こうした「変化」と真正面から向き合ったからこそ今現在まで生き残ることができました。これは人間も含め哺乳類の'特権'です。

 反対に恐竜は心身ともに地球最大と叫ばれていましたが、隕石衝突などの急激な環境の変化に耐えきれなくなり、絶滅しました。(そのわずかな残党勢が鳥類へと進化するしかありませんでした)

 翻って、哺乳類は始めは原始的なねずみのような非常に最小の存在でした。しかし、母親のお腹の中で赤ちゃんを一定期間育てることで天敵から子孫を失うことは免れました。さらに恐竜の絶滅後は個体も進化し、中には海中へ生息を変えた生き物もいます。イルカやクジラは元をたどると、マンモスです。一方の陸に残ったマンモスは熱帯地域へ生息範囲を広げ、ゾウへと進化しました。

 人間もしかりです。人間も始めはアフリカのみで生息しましたが、徐々に活動範囲を世界中に広げ暑さにも寒さにも耐えられる知能や技術を手に入れました。
 これもひとえに人間を始め哺乳類が「変化」と真正面から向き合ったからこその賜りものなのです。そして現代社会はさらに「変化」の早い時代です。

 話がそれましたが、こうした「変化」を'楽しんで利用'したもの勝ちなのが人間社会です。
 その'出発点'なのが「親(家族)」です。特に、HSPスペクトラム(繊細さん)は多大にその影響を受けます。

 世襲制もその一つですし、あまり好ましくない人もいますが「親ガチャ」や「二世」という言葉が流行る背景として「人生の黒幕はやはり'親(家族)'」-「親(家族)が人間社会(人間関係)の'出発点'」だと世の中がインターネットやSNSなどの影響で気がついたからではないでしょうか?
 心理学の発展もかなり影響したかと思います。

 だからこそ、私は「'人間である以上'は心理学や人間関係を'出発点'として小学生から必修教科として授業で身につけるべき」かと思います。
 ただし、私たち現役世代は「学生(大学生など)や大人になってようやく心理学を知った(身につけた)」人が圧倒的に多いため今後「学習指導要領」の改定で「心理学・人間関係」が小学生の授業となれば戸惑うかもしれません。その宿題が出されても頭を抱える親(家族)も少なくないでしょう。

 そうなるのも無理はありません。心の中で'不公平'だと感じるからです。あるいは、「私が小学生から勉強したかった」と後悔する人もいるでしょう。
 実際、昭和時代はそこまで「心理学・人間関係」が強く叫ばれる時代ではありませんでした。(仮に昭和時代から「心理学・人間関係」が強く叫ばれていたら、今とは違う時代になったかもしれません。少なくとも、私が思春期を過ごした0年代にはすでに「心理学・人間関係」が正式な学校教科として欧米のような当たり前のものになっていたかもしれません)

 そして、親になるとついやってしまう癖-それはもしかして「あなたが過去に体験したいやだったこと」のはずです。それは残念ながら「心理学・人間関係」を学ばないと気づかないものです。一見で見えるものではないからです。
「学習指導要領」の改定で「心理学・人間関係」が小学生の授業となることを願って止みません。そしてこれ機に、私たち人間が自分たちの行動や振る舞いを振り返り、気づくことを願って止みません。


感情を置き去りにしない
 これが私が「'人間である以上'は心理学や人間関係を'出発点'として小学生から必修教科として授業で身につけるべき」という信念のもとではないかと思います。
 人間も'生き物の一種'である以上、感情は必要不可欠なもののはずです。
 ところがこうした感情を二の次、三の次にした結果、無意味なけんかなどへ発展します。これを「ファクトテニス(偽のテニス)」と著作で表しております。

 相手を論破して勝ったとしても、負けた相手は'敵認定'され思いやりが持てなくなります。
 一方で、全ての争いをなくそうと遠ざけると親密な人間関係が築けなくなります。私もそうですが、発達障がいないしHSPスペクトラム(繊細さん)は感覚過敏の影響下で、争いごとを嫌う傾向があるようです。争いごとの多くは「大声」で占めるためです。

 私もそうでしたが、日常茶飯事で「大声」にさらされると、それこそ親になるとついやってしまう癖-「あなたが過去に体験したいやだったこと」につながる可能性が大きいです。あるいは、「共依存」のような「特定の人間関係への病的な依存」へ発展してしまいます。親密な人間関係を構築できないため、常に他人行儀か「共依存」という極端で寂しい人間関係となるのは明らかです。人格障がいも時間の問題です。

 解消するには、まずは「'私(I)'を必ず主語にして自分の感情を正直に」伝えることです。これはアンガーマネジメント(感情制御)にも通じます。

 ドラマ『正直不動産』で忘れられない台詞ですが、「一生幸せになりたいなら、正直でいること」。これはかなり難しいことだと思います。
 そして、私が「'人間である以上'は心理学や人間関係を'出発点'として小学生から必修教科として授業で身につけるべき」と強く願うのもこの台詞が後押ししたからです。

 特に、「自分自身に正直」でいることは本当に「心理学・人間関係」を学ばないとできないことです。現代社会は「自分がない」と訴える人が急増していますが、「自分自身に正直」でいることそのものが結局は人間関係の'出発点'である「親(家族)」の影響が大きいからです。ここが上手くいかなかったがゆえに、「自分がない」と相手から指摘され始めて気づくようになってしまいます。

 だからこそ、「自分自身に正直」でいることの第一歩として「'私(I)'を必ず主語にして自分の感情を正直に」伝えることです。こうすることで、自分の感情を自分のものと認め、少しずつ「自分自身に正直」になれるかと思います。「自分自身に正直」になれば、おのずと相手の感情を受け入れることもできるようになります。

 特に、悲しい、つらいなどの「一次感情(マイナスの感情)」はすぐに伝えた方がいいです。
 とはいえ、特に発達障がいの当事者は感情を理解し受け入れるのにかなりの時間がかかります。また、「自分も相手も同じ感情」だと思い込みやすいです。
 解決策を欲しい場合は、「いきなり結論から始める」のがベストです。
 そうではなく話を聞くだけでいい場合は、「アドバイスはいらないから話を聞いてほしい」とはっきりと相手と向き合って言った方がましです。

 さらに最も大切なのは、やはり乳幼児期から「感情の代弁」です。
 乳児期の赤ちゃんや幼児期の小さな子どもは泣いたりかんしゃくを起こして親(家族)や周りの大人へ訴えます
 生まれて間もない感情は「興奮」しかありません。だから泣いたりかんしゃくを起こすしかありません。周りの大人が「お腹すいたね」、「眠いのね」、「痛いのね」、「悔しのね」、「いやだね」と赤ちゃんの泣き声やかんしゃくを代弁することで、少しずつ赤ちゃんや子どもは感情に'意味がある(言葉がある)'ことを学習していきます。これを辛抱強くそして特に「一次感情(マイナスの感情)」は決して「バカなこと言わないで」と否定せず、オウム返しでも構いませんので「いやだったね。抱っこしてほしい? 気が済むまで抱っこするよ」と向き合いましょう。

 とはいえ、これは一夜漬けで身につけられるものではありません。繰り返しですが、「'人間である以上'は心理学や人間関係を'出発点'として小学生から必修教科として授業で身につける」など長い時間をかけて身につけるしかありません。
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