「怒っている人は、困っている人」である

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タイトルのこの言葉は精神科医であり対人関係療法の専門家でもある水島ひろ子さんの言葉だったと記憶していますが、

自分自身の日常の人間観察から考えても、ものすごく腑落ちしている言葉です。


そもそも、感情には役割があります


怒りという感情は原始時代、
人間がサバイバル生活をしていたころに、
例えば野生のクマに遭遇したとして、
そのような緊急事態に際したときに命を守るために湧いてくる感情です。


そのような非常事態の反応を
闘うか逃げるか」反応と言います。

英語で「fight-or-flight」です。


野生のクマに遭遇した際にはダラダラと考えている場合ではなく、
命を守るための行動をとっさに取らなければなりません。

それが「闘うか逃げるか」です。


このうちの「闘う」選択肢の結果出てくる感情が「怒り」です。
(ちなみに「逃げる」選択肢の感情は「不安」や「恐怖」です)


というわけで、


怒りというのは自らの大事なものを守る必要を感じたときに湧き上がる感情なのですが、

そういう意味で、怒っている人というのは
「今、自らが危機に際している」と無意識的にでも感じているから怒っている
わけです。

「自分が安全だ」と感じていたり「脅威を感じていない」のであれば、怒る必要はないのです。


例えば、三歳の幼稚園児があなたに向かってグーパンチしてきたとしても、
別にあなたは怒らないでしょう。

その出来事に対応することは文字通り「赤子の手をひねるようなもの」だからです。

しかしこれが、身長180cmを超える成人男性だったとしたら、どうでしょう?

あなたは闘うか逃げるか、「fight-or-flight」のどちらかの対応をするのではないでしょうか?


つまり、日常生活で時々目にする「怒っている人」というのは、
「何か自分に不都合があり、困っているから怒っている」のです。


もともと気の弱い性格の人は怒っている人を見ると
「私が原因で怒らせてしまったのではないか?」などと考えてしまったりします。

実は昔の私がそうでした。

今はこの「怒っている人は困っている人」の言葉を知ったこともあり、
「ああ、この人は何かに困っているんだな」と、冷静に見ることが出来るようになりました。


「怒り」というのは二次的感情です。

その土台には必ず「恐れ」があります。
恐れなくしては怒りは生じえません。


ですから、怒りやすい人とうまくコミュニケーションをとっていくためには、まずその人が何に恐れているのかを察知して、あらかじめその恐れを取り除くように会話の中で立ち回ると建設的な話し合いになりやすいのですが、

ちょっとその方法論まで踏み込むと長くなりそうなので、今回はこのへんで失礼します。笑


「怒っている人は、困っている人」


怒りを露わにしている人を目の前にして、自分が困っている人になりそうなときは、この言葉を思い出して、
「ああ、この人には今余裕がないんだな」と理解してあげてください。
そうすると自分が冷静になれると思います。

その怒りの責任の所在はあなたにあるのではなく、怒っているその人にあるのです。

これが原則です。



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