サヘル・ローズさんの本を読んでみた。『戦場から女優へ』(文藝春秋)

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先日(2025/7/6)、タレントのサヘル・ローズさんが参院選に関して外国籍の立場から発したコメントが話題になっているようですね。
私は当該番組を見ておらず、ネット上での断片的な情報だけでよくわからないので、この件について詳しく語れることはないです。

ただ、前々からイランという国には興味があって、19世紀末イラン(当時のカージャール朝)王妃のことなども書きました。
(イランの、伝説の美女!『ペルシア王宮物語―ハレムに育った王女 』(東洋文庫)

そんなことからサヘル・ローズさんのことも気になっていましたので、この機会にと思い、本書を手に取ってみました。
そしたら……

1ページ読み始めたら、もう止まらない!
私と同世代の人の人生とは、とても思えないあまりの波乱万丈な半生に、久々に一気読みしてしまいました。
てっきり彼女は、
「戦争から逃れた難民として日本に来た」
という方かと思い込んでいたのですが、もっと複雑な事情がありました。

まず幼少期の、生まれ育った環境が、
「え? これ現代の話??」
と思えるくらい、すさまじい。

彼女は11人兄弟の末っ子として生まれる。
町は「灰色の空と花も木も枯れている茶色の世界」というほど、何もなかった。
家は「土を塗り固めて乾燥させただけ」。
そんな環境下、隣国イラクからの空襲に合い、町は崩壊。
運よく、サヘルさんだけががれきの下から発見されます。

その後、孤児院で過ごし、裕福な家庭の養子となります。
束の間、幸せな時を過ごしますが、養母(以下、母)と実家との関係が悪化したことで、渡日します。

日本には母の恋人がおり、最初は3人で疑似家族のように過ごしていました。
この時もサヘルさんは束の間の幸福を味わったようですが、次第に母の恋人が暴力を振るうように。
仕方なく母子は恋人の家を出、なんと公園でホームレス生活をすることになるのです!

当時サヘルさんは小学生。
いくつかの幸福な出会いにも恵まれて、なんとか生活を立て直していきますが、それでも極度の貧困やイジメなどなど、壮絶な少女時代を過ごすのです。

サヘルさんの生い立ちも相当に過酷ですが、元々、サヘルさんを養女として迎え入れるくらい裕福だったはずの、母の没落ぶりもすさまじいです。
それでも、固い絆で結ばれた母子の愛情は、涙なしでは読めませんでした。

本書は主に、そうしたサヘルさんの幼い日々が中心で、高校生から女優になるまではかなり駆け足気味に書かれています。
また、刊行が2009年と古い本で、サヘルさんが23歳くらいのところで終わってしまう。

私はあまり彼女のことを知らないので、その後~現在までのことも、詳しく知りたいな、と思いました。

何にせよ、とても考えさせられる素晴らしい本だと思いました。
これは絵本や漫画、映画化などして、いろんな人に知ってほしい、みてほしいです。

TOPのイラストは、サヘルさん母子を絵本風に描いてみました。

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