これは私の友人にリアルに起こった話である。
関係者が読むとわかってしまうので登場人物などは変更してストーリーとして書いてみた。
登場人物
●トモヒロ 主人公
お人よしでマイペース。どこか頼りないが憎めない人柄
●ヨシミ 妻
おっとりした性格。しかし冷徹な心を持つ2面性あり
●ヒロミ 妻の姉
チャキチャキした性格で、気性が荒く金遣いが荒い
●トシオ トモヒロ の友人
高校の同級生。トモヒロがなんでも話せる良き相談相手
●ミチコ 不動産会社の女社長
バツイチ子持ちでパートからメキメキと力をつけて持ち前のバイタリティで地元で不動産会社を設立
ストーリー
28年前・・・
「ね~ね~トモ君、私たちって付き合ってるんよね。」
「そりゃ~・・・・つきあっとるやろ」
そんなゆる~い感じでトモとヨシミがつきあいだしたのは中学2年生の春。
その後、幾度かの離れてはくっつきを繰り返し、
25歳で晴れて結婚。
二人ともゆる~い性格でマイペース。
まわりの友人たちもこの二人の結婚は必然であり、
これから先もゆる~い感じで重なり続けると信じていた。
時は過ぎ••••
「社長、オーナーから電話です。すぐに折り返し欲しらしいです。」
トモヒロは大学を卒業して入社した超ブラック会社S建設を15年務めて退職し、妻ヨシミの姉ヒロミがオーナーを務める業務用トラック販売会社の雇われ社長に就任していた。
「プルルルル、プルルルル、カチャ、あっヒロミさんお電話もらってたみたいで。」
「トモ君さ、あなた会社のお金使ってるやろ?」
「社長として失格。首、首よ!」
「えっ?ちょっと待ってくださいよ。それどうゆうことですか?」
「どうゆことも、こうゆうこともないったい」
「よしみにもいろいろ聞いとっちゃけん、ガチャ」
トモヒロには心当たりがないわけではなかった、
ただ会社のお金を横領した事実は無かった。
取引先が個人事業者がメインの車両販売という現金商売だったため、
すぐにお金が支払えないお客に会社として建て替えているお金が
一千万以上になっていたことは事実だった。
実際、妻の姉であるヒロミはすべてをトモヒロに丸投げし、
自分はエステや高級ブランドに身を包み会社を私物化していた。
社員の給与未払いや、社会保険の未加入など社員達からの不満は
トモヒロが一手に背負っていた。
「ただいま~・・・・飯ある?」
「こんな遅くに帰ってきてもないよ。それよりもトモ君さ、首になったんでしょ?」
「それがさ~・・・急にいわれてから俺もわけわからん。ヒロミさんヨシミにもいろいろ聞いとるみたいなこと言いよったけど」
「そうよ。あんたが悪いっちゃろ。」
「私も今まで我慢してきたけど・・・・」
「これ渡しとくけん、書いとって」
「えっ?」
「・・・て、離婚届????」
実際トモヒロは結婚してからというもの仕事づくめで家庭を振り返る事はなかった。
すべては妻のヨシミ任せ。
中学からの幼馴染という安心感にかまけて、
妻に愛情を注いでなかったのは事実だった。
1週間後・・・・とある喫茶店にて
「お~久しぶり!どげんしとったね。元気しとるね?」
「それがさ・・・・いろいろあって」
トモヒロが最初に相談したのは高校時代の同級生トシオ。
「え~~~~~っ!ヨシミちゃんと別れる???? なんで?」
「おれもようわからんっちゃん・・・」
「それだけやなか・・・・仕事も首になった。」
「はっ~~~~~?どゆこと?」
「ヨシミちゃんの姉~ちゃんがオーナーやろうもん?」
「それが、俺が会社の金、横領したとかいってきていきなり首っていわれた。」
「ままっ、とりあえず会社は置いといて離婚はなかろうもん」
「いや、もう決意はかたかけん変わらんと思う」
こうして2017年の秋、トモヒロは一瞬にして同時に家族と仕事を失う事になった。
それから1年後
トモヒロの人柄もあって大学時代からの友人が経営する会社でトモヒロは再出発を果たしていた。
ただ元妻からの養育費は厳しい要求額で、それでも大学受験を控える息子の為トモヒロは頑張って支払いを続けていた。
そんなある日の事、会社のゴルフコンペでトモヒロより3つ年上の不動産会社のやり手女社長ミチコと知り合うことになる。
ミチコもバツイチでもう大学生になる息子がいた。
控えめなトモヒロをリードするように、ミチコは積極的にトモヒロを食事やゴルフに誘うようになった。
二人はこうやって自然な流れで付きあうことになる。
傍らか見れば逆玉だ。
まあ友人としては今のところ一応めでたしめでたし。😊
再婚まで発展するかはこれからのお楽しみという事で・・・
と言うお話。
人生大逆転はありますから。