中小企業経営のための情報発信ブログ270:切磋琢磨がなければ心理的安定性はない

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今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
心理的安定性については何度か書いています。「心理的安定性」の大切さは言うまでもありませんが、お互い意見を自由に言い合える風通しの良い職場・組織になるように意識することは重要ですが、それが、「ぬるま湯」的な組織になっているのではないかという不安もあります。
1.心理的安定性とは
 以前にも書いていますが、改めて「心理的安定性」の意義を見てみたいと思います。
 「心理的安定性」はサイコロジカル・セイフティの訳で、ハーバード大学の組織行動学者エイミー・エドモンドソンが提唱した概念です。エドモンドソンによれば「このチームは、他のメンバーが、自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰を与えるようなことをしない確信が持て、対人リスクをとるのに安全な場所であるとの信念がメンバー間で共有された状態」を指します。「心理的安定性の高いチームのメンバーは、収益性が高く、マネジャーから評価される機会が2倍多い」という報告もあり、注目されている概念です。
2.「切磋琢磨」がないなら「心理的安定性」とは言えない
 心理的安定性が高いチームというのは「切磋琢磨」のイメージで活発な議論がなされて、出されたアイデアに対して本質的で健全な批判がバンバン出てくるものでなければなりません。お互いが自由に意見を言えても、なあなあで議論も批判もなされないというのでは心理的安定性があるとは言えません。
 心理的安定性は、自由に意見が言えるだけでなく、その意見に対して健全な批判や評価がなされ、意見を述べた者もその批判や評価を受け入れ、それによって自分を成長させるものでなければならないのです。つまり、互いに「切磋琢磨」して、自己が成長し、それに伴いチーム全体も成長していくものでなければ、心理的安定性の高い職場・組織ではないのです。
3.「ぬるま湯」チーム・組織
 エドモンドソンは、心理的安定性を阻害する不安として
Ⅰ:無知だと思われる不安
 Ⅱ:無能だと思われる不安
 Ⅲ:邪魔をしていると思われる不安
 Ⅳ:ネガティブだと思われる不安
の4つを挙げています。
 無知だと思われたくなければ質問をしなければいい、無能だと思われたくないならアイデアを出さなければいい、邪魔をしているとかネガティブだと思われたくないなら批判しなければいい、のです。
 このような心理が働けば、心理的安定性のないチーム、ぬるま湯的なチームができるのです。いかに、自由に発言できる機会が設けられていてもこうした心理が働いているのでは、心理的安定性の高いチームとは言えないのです。
4.ストレートな批判は日本人にとっては不得手
 日本企業において心理的安定性を獲得するのを困難ならしめているのが、日本人の「ストレートに相手を批判することができない」という気質です。日本人は、直接的に批判するのを嫌い、間接的にオブラートに包んだ言葉を使います。こうした日本人の特質は、一面日本人の良さでもありますが、反面欠点でもあります。オブラートに包んだ間接的な表現では、真意が相手に伝わらないことも多いのです。相手の成長にとっても、ネガティブ・フィードバックは極めて重要です。切磋琢磨し健全な批判がなされることで人は成長するのです。
 物事を話す際には、丁寧にわかりやすく明快に話す必要がありますが、これがなかなか難しく、苦手意識を持っている人も多いと思います。日本人は、どうしても、言外に含みを持たせ相手に空気を読んでもらい、阿吽の呼吸で理解してもらうことを好み、あやふやなまま、相手に確認もせずに突き進んでしまいます。友人や知人同士の付き合いなら、これでもいいのでしょうが、ビジネスはある意味真剣勝負です。相手の真意が曖昧なまま突き進むことほどリスクのあることはありません。
5.働き方改革、リモートワークが更に壁となる
 これまでの日本の職場では、オフィスで机を並べ長時間一緒に仕事をするとか、飲み会と、タバコ部屋での雑談とか、壁を乗り越えて、本音を語り、相手を慮り、心理的安定性を築く機会がありました。
 しかし、働き方改革やコロナ禍でリモートワークが定着してくると、雑談の機会が減り、心理的安定性を築く機会も減りました。
 オンラインでのコミュニケーションは、オフィスでのコミュニケーションとは異なり、言語中心のコミュニケーションです。相手の表情や雰囲気を肌で感じ、阿吽の呼吸で理解するということは難しくなっています。益々、日本人が心理的安定性を獲得するには、新しいスキルや能力を身につけなければならなくなってきています。
6.「アサーティブネス」を身につける
 アサーティブネスについては以前にも書きましたが、「相手も尊重した上で、素直に誠実に自分の要望や意見を相手に伝えるコミュニケーションスキル」です。
 「事実に基づいて考え、話す」「説得するのではなく、共感を得る」「命令するのではなく、提案する」「自分の気持ちを感情的にならずに正確に表現する」など、細かいスキルの集合体が「アサーティブネス」です。
 心理的安定性の高い職場になるためにはメンバーが、こうした「アサーティブネス」のスキルを身につけなければなりません。
7.「上手く相手を批判する力」を磨く
 今、日本人に必要なのは、空気を呼んだり、過度に協調したりすることではなく、自分の考えや意見をどんどん打ち出していくことです。自分の意見をしっかりとわかりやすく言うことや、攻撃的にならず健全な批判をすることです。これができれば、もともと日本人はお互いの意見を尊重し合うことは得意としていますので、心理的安定性への道はスムーズになるように思います。
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