【第一話】40代後半になって、ふと立ち止まった日
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コラム
40代も後半に差しかかった頃、
ふと、こんな気持ちがよぎるようになりました。
「このままでいいのかな。」
仕事も生活も、
生きていくために必要なことは、ひと通り身につけてきた。
大きな不満があるわけでもない。
けれど一方で、
新しい世界を知りたい気持ちや、
これまでの人生を、少し振り返ってみたい気持ちも
どこかにありました。
そんな時、たまたま手元に残っていたのが、
母方の祖母の相続の際に使った戸籍でした。
特別なきっかけがあったわけではありません。
むしろ、「じゃあ、ちょっとやってみようか」
それくらいの軽い気持ちだったと思います。
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正直に言えば、
自分の家系を調べて、
何も見つからなかったらどうしよう、
という気持ちも、少しありました。
私は行政書士として、
普段から家系図の仕事に関わっています。
けれど、不思議なことに、
自分自身の先祖をきちんと調べようと思ったことは、それまで一度もありませんでした。
周りにも、
自分の家系を掘り下げている
行政書士はほとんどいません。
だからこそ、余計に、
「誰かの家系図は作っているのに、
自分のことは何も知らないままだな」
そんな違和感も、
少しあったのかもしれません。
調べるなら、母方の祖母の系統から。
相続で使った戸籍が残っていて、
しかも地元の土地だったので、
手をつけやすかった。
正直、この時点では、
何か大きな発見を期待していたわけでもありません。
ただ、
知らない先祖の名前を知ること。
その人たちが生きていた時間や場所を、
少しだけ想像してみること。
それが、
どんな「旅」になるのか。
こまで自分を揺さぶるものになるのか。
この時の私は、
まだ何も分かっていませんでした。