こんにちは、やまもとです。
経理実務に携わって10年、多くの起業家の方々のバックオフィスをサポートしてきました 。
個人事業主の経理において、切っても切り離せないのが
「事業主借(じぎょうぬしかり)」と「事業主貸(じぎょうぬしかし)」
という勘定科目です。
「これ、どっちだっけ?」と迷う方も多いですが、実はこの科目、とっても便利なんです。
でも、プロの視点から見ると「便利だからこそ、乱用には注意が必要」と感じる場面も少なくありません。
今日は、経理を「単なる作業」から「事業を守る土台」に変えるための、事業主借・貸との付き合い方についてお話しします。
そもそも「事業主借・貸」とは?
ざっくり言うと、「ビジネスのお金」と「プライベートのお金」を繋ぐ架け橋のようなものです。
事業主借: プライベートの財布から、事業の支払いをした時(事業があなたからお金を「借りた」状態)
事業主貸: 事業の口座から、生活費を引き出したり個人の買い物をした時(事業があなたに自由なお金を「貸した」状態)
これがあるおかげで、個人事業主は「1円の狂いもなく公私を分ける」という呪縛から解放されます 。
「便利」の裏側に潜むリスク
「とりあえず事業主貸で処理しておけば、帳尻は合うから大丈夫」
そう思って、ついつい乱用していませんか?
もちろん、会計ソフト上の数字は合います。でも、乱用しすぎると以下のような「心の、そして事業のノイズ」が溜まっていきます。
【税務署からの「公私混同」疑惑】
事業主貸があまりに多額で、かつ内容が不透明な場合、税務調査などで「これは本当に事業に関係ない支出ですか?(本当は経費なのに隠していませんか?)」
あるいは逆に「プライベートな支出を無理やり経費に混ぜていませんか?」という疑いの目を向けられやすくなります。
特に売上の入金をすべて「事業主借」で入力するのは注意⚠️
売上の証拠が残らないので、売上操作を疑われる可能性があります。
【「稼いでいる実感」が麻痺する】
事業の口座から生活費を無計画に引き出し(事業主貸)、足りなくなったら個人の貯金を入れる(事業主借)。
これを繰り返すと、「今、自分の事業がいくら利益を出していて、いくら手元に残っているのか」という手応えが消えてしまいます。
【「余白」がなくなる】
経理がぐちゃぐちゃになると、常に頭のどこかに「なんとかしなきゃ」という不安が居座ります。
これでは、クリエイティブな仕事に集中するための「心のゆとり」が失われてしまいます。
理想的な付き合い方:経理を「自動化」にするために
私がおすすめしているのは、事業主借・貸を「例外的なレスキュー」としてのみ使う状態です。
仕組みで解決する: 基本は、ビジネス専用のクレジットカードと銀行口座をfreeeなどのクラウド会計ソフトに連携させます 。
「自動登録ルール」を活用する: 一度ルールを決めれば、ソフトが勝手に仕訳をしてくれるようになります。
「経理の自動化」をすることで、判断に迷う時間を最小限にできます 。
最後に
数字を整えることは、自分を愛すること
事業主借・貸を「なんとなく」で使わなくなることは、自分の事業を客観的に見つめ、コントロールできているという自信に繋がります。
数字が整うと、本業に時間をかけられる。
プライベートの時間も増える。
自分の時間を大切に出来ます。
「ちょっと乱用気味かも?」と思ったら、まずは今月の「事業主貸」の合計額を眺めることから始めてみてくださいね。
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