介護が始まる前に、仕事面で確認しておくべき3つのこと

記事
ライフスタイル
親の介護が始まるとき、多くの人は「その時に考えればいい」と思いがちです。

でも実際には、介護が始まった瞬間に最初に揺れやすいのは、親の生活だけではありません。

自分の仕事の回し方です。


総務省の令和4年就業構造基本調査では、介護をしている人は628.8万人、そのうち有業者は364.6万人で、介護をしている人の58.0%が働いています。

つまり、介護は「仕事を辞めた後の問題」ではなく、働いている最中にぶつかる問題です。

さらに経済産業省は、2030年には仕事をしながら家族介護を担う人、つまり本連載でいうワーキングケアラーが約318万人にのぼり、経済損失は約9兆円になると示しています。

だからこそ、介護が始まる前に、仕事面で確認しておくべきことがあります。

私は、それを3つに絞るとしたら、
制度、
自分の仕事の止まりやすい場所、
親のことで最初に飛んでくる用事
だと思っています。

1.会社の制度と相談先を、使う前に確認しておく

一つ目は、会社で何が使えるのかです。
ここを知らないまま親の介護が始まると、多くの人はすぐに「休むしかない」「辞めるしかない」に気持ちが傾きやすくなります。

厚生労働省の案内では、介護休業は対象家族1人につき通算93日、3回まで分割可能です。介護休暇は対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日で、時間単位でも取得できます。さらに、時間外労働の制限や深夜業の制限など、両立を支える制度があります。2026年4月施行の改正では、介護に直面する前の早い段階、40歳等での情報提供も事業主に求められています。

ここで大事なのは、制度名だけ知ることではありません。

誰に申し出るのか
社内の相談窓口はどこか
上司に何をどの順番で伝えるか
まで確認しておくことです。

制度は、追い込まれてから調べると頭に入りにくいものです。
だから、介護が始まる前の平常時に、
「自社では何が使えるのか」
「人事・総務・上司のうち誰が窓口になるのか」
だけでも確認しておくと、最初の混乱がかなり違います。

2.自分の仕事のどこが止まると危ないかを把握しておく

二つ目は、自分の仕事の棚卸しです。
これをやっている人は意外と少ないのですが、とても大切です。

介護が始まると、いきなり退職しなくても、
早退が増える、
残業が難しくなる、
出張を断る、
急な呼び出しに対応しにくくなる、
ということが起きやすくなります。

すると問題になるのは、「働いているかどうか」よりも、今の仕事のどこが止まりやすいかです。

たとえば、
自分しか担当していない業務は何か。
締切が厳しい仕事はどれか。
急な呼び出しが入ると困る仕事は何か。
引き継ぎしやすい仕事と、しにくい仕事は何か。
繁忙期はいつか。

このあたりを見ておくと、介護が始まったときに
「全部抱えたまま何とかする」
ではなく、
「どこを先に調整するか」
が見えやすくなります。

私はここで、自分が抜けたら誰が困るか、を見ておくことが重要だと思っています。

それが分かると、上司への伝え方も変わります。
ただ「親のことで大変です」と言うより、
「この業務は代替が必要です」
「この仕事は期限の前倒しが必要です」
と話せる方が、仕事を守りやすいからです。

3.親のことで最初に発生する仕事外対応を想定しておく

三つ目は、親のことで最初に飛んでくる用事を想定しておくことです。
ここを想定していないと、仕事へのダメージは一気に大きくなります。

実際に介護が始まる最初の局面では、
病院からの連絡、
入退院対応、
通院付き添い、
介護保険の申請、
ケアマネジャーとの面談、
家族との連絡調整、
といったことが短期間に重なりやすくなります。

特に、ひとりっ子、長男長女、遠距離の子どもは、最初の連絡や現地対応が自分に集中しやすい傾向があります。高齢者の一人暮らしは増えており、内閣府の白書でも、65歳以上の一人暮らしは今後も増加が見込まれています。

だから仕事面では、自分が最初に何日くらい動けなくなる可能性があるか
をざっくり想定しておいた方がいいのです。

そのためには、
親の通院先、
薬、
保険証や重要書類の場所、
緊急連絡先、
家族の役割分担、
を少しずつ整理しておくことが大切です。

これは一見、仕事と関係ないように見えます。

でも実際には、ここが整理されているかどうかで、
仕事を何日止めることになるか、
職場への説明がどれだけしやすいか、
が大きく変わります。

この3つを確認しておくと、何が違うのか

介護が始まる前に、
制度、
自分の仕事、
親の初動対応、
この3つを確認している人は、何もかも楽になるわけではありません。

でも、
何から手をつければいいか分からない、
上司にどう言えばいいか分からない、
親のことで何日仕事が止まるか読めない、
という状態はかなり避けやすくなります。

私は、介護で仕事が崩れる人の多くは、能力不足というより、初動で全部が同時に来てしまうことに追い込まれているのだと思っています。
だからこそ、確認しておくべきことは、難しいことではなく、最初の3つでいいのです。

まとめ

介護が始まる前に、仕事面で確認しておくべき3つのことは、次の通りです。

一つ目は、会社の制度と相談先。
二つ目は、自分の仕事のどこが止まると危ないか。
三つ目は、親のことで最初に発生する仕事外対応です。

介護は、始まってから全部を整えるには重すぎる問題です。
だからこそ、親がまだ元気なうちに、
仕事を守るための確認をしておく。
この発想が大切になります。

第18話では、
「複業準備は、介護時代の人生防衛になるのか」
というテーマで、収入の柱を一つにしすぎないことが、なぜこれからの時代に意味を持つのかを掘り下げていきます。

まずは、親に何を・どの順番で・どう話せばよいかを一緒に整理してみませんか?

ご相談お待ちしております!!
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら