最後に、心からリラックスして笑ったのは、いつでしたか?
美容院で雑誌をゆっくり読んだのは?
友人と、仕事や介護とは関係のない、とりとめのないお喋りをしたのは?
ただぼんやりと、好きなドラマの続きを観たのは...?
「そんな時間、あるわけない」
そう思った瞬間に、胸がチクリと痛むのではないでしょうか。
親が我慢しているのに、自分だけが楽しむなんて。まるで「悪いこと」をしているような、あの重たい罪悪感。
あなたの毎日は、いつの間にか「介護者」「会社員」「母親」「妻」「父親」「夫」「娘」「息子」という役割で埋め尽くされ、「あなた自身」である時間が、ほとんど残っていないのかもしれません。
今日は、その「自分を失っていく感覚」と、「休むことへの罪悪感」から、どうすれば抜け出せるかについてお話しします。
飛行機の「酸素マスク」のルールを思い出して
あなたが休むことに罪悪感を覚えるのは、それだけ責任感が強く、親御さんへの愛情が深いからです。
でも、どうか思い出してください。 飛行機に乗った時、緊急事態のアナウンスで必ず言われる言葉を。
「酸素マスクは、まずご自身が装着し、それからお子様や周りの方を手伝ってください」
これは、冷たい自己中心的な考え方でしょうか?
違いますよね。
自分が倒れてしまえば、本当に助けが必要な人を、助けることさえできなくなる。 だからこそ、自分を守ることを最優先にする。
これは、最も合理的で、愛情深い判断なのです。
介護も、まったく同じです。
あなたが心身ともに疲れ果て、笑顔を失ってしまったら...。
それは、親御さんにとっても辛いことではないでしょうか。
あなたが自分を犠牲にしてギリギリの状態でいることより、ほんの少し手を抜いても、穏やかな表情でそばにいてくれることを、きっと望んでいるはずです。
罪悪感なく「自分」を取り戻す3つのヒント
「休む」とは、丸一日旅行に行くような、大げさなことではありません。
日常の中に、ほんの小さな「あなた自身」の時間を取り戻すことから始まります。
「贅沢」ではなく「仕事(タスク)」と捉える 「15分だけコーヒーを飲む」ことを、スケジュール帳に「タスク」として書き込んでみてください。
あなたは多忙なマネージャーです。
タスクを完了させることは得意なはず。「休むこと」を、介護という長期プロジェクトを完遂させるための「必須業務」と位置づけるのです。
「5分間」の完全オフタイムを作る 親御さんから少しだけ離れ、ベランダで深呼吸する、好きな曲を1曲だけイヤホンで聴く、トイレの中で目をつぶる。
どんなに短くても構いません。「介護者」でも「会社員」でもない、ただの「自分」に戻る時間を、意図的に作るのです。
「サービス利用=親不孝」の呪縛を解く デイサービスやショートステイといった介護サービスを利用することは、決して「介護の放棄」ではありません。
それは、親御さんにとっても社会とのつながりやプロのケアを受ける良い機会であり、あなたにとっては、飛行機の「酸素マスク」を装着するための、必要不可欠な時間です。
あなたがあなた自身の時間を持つことは、決して「わがまま」ではありません。
それは、大切な親御さんと、そしてあなた自身の人生を、これからも守り続けていくための、最も大切な「責任」なのです。
そして、第三者と話をしてみるのも、同じように心と身体のスペースを作れる非常に有効な方法です。
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