「うちは社員同士の距離が近いから、誰かが困っていれば分かるはず」
「幹部社員が突然辞めるなんて、うちには関係ない」
――そんなふうに考えている経営者の方、いらっしゃいませんか?
しかし実際には、社員が「親の介護」で静かに職場を去っている現実があります。
それも、事前に会社へ相談することなく。
■ なぜ、経営者は「うちは大丈夫」と思い込んでしまうのか?
その背景には、いくつかの“思い込み”が潜んでいます。
幹部社員は責任感が強く、辞めないはず
介護は家族で何とかするもので、会社に持ち込まないだろう
制度は整備してあるから使えるはず
介護離職は大企業の話。中小企業ではまだ少ない
これらはいずれも、データによって否定されています。
■ 介護離職は「静かに」「急に」起こる
ある調査では、介護離職をした人の半数以上が、制度(介護休暇・介護休業)を一切利用せずに辞めていることが分かっています。
社員が何も言わず、有給休暇で何とかしながら限界まで我慢し、
「これ以上は無理」となったときに、突然退職届を出す――それが典型的な介護離職の形です。
そしてそれは、規模にかかわらず、どの企業でも起こり得る問題です。
🔹 過去1年間に「介護離職があった」と答えた企業:7.3%
🔹「今後、介護離職が増える」と考える企業:71.2%
※経済産業省「仕事と介護の両立支援に関する実態調査」より
この数字を見て、「自分の会社も例外ではないかも…」と感じられた方も多いのではないでしょうか。
■ 思い込みからの脱却が第一歩
介護離職防止の第一歩は、「自社には関係ない」という思い込みを捨て、実態を把握することです。
なぜなら、社員本人が「会社に迷惑をかけたくない」と隠していることが多いからです。
ヒアリングや匿名アンケートなどで、社員の実情を丁寧に拾っていくことが必要です。
💡まとめ
介護離職は、予兆なく“静かに”訪れます。
そしてそれは、経営者の見えないところで進行しているのです。
「うちは大丈夫」という“感覚”ではなく、データと対話で向き合うこと。
それが、会社の未来と大切な社員を守る第一歩になります。