半年間、ChatGPTに毎日話しかけていた。
朝起きたらまずChatGPTを開いて、ブログの下書きを頼む。昼にはクライアントへの返信メールの案を作らせて、夕方には翌日の企画書の骨子をまとめさせる。
完全に生活の一部になっていた。
でも、ある日気づいた。
俺、毎回同じことを打ち込んでいる。
「あなたはWebマーケティングの専門家です。以下の条件でブログ記事を書いてください。ターゲットは30代の個人事業主で、トーンはカジュアルだけど信頼感があるように。文字数は2000字程度。見出しは3つ以上…」
これを、毎朝打ってた。コピペして使い回すこともあったけど、案件ごとに微妙に条件が違うから、結局毎回書き直す。
そして出てきた文章を読んで、「うーん、なんか違うんだよな」となって、条件を足して再生成。3回目くらいで「もういいや、自分で書こう」と閉じる。
これ、便利なのか?
プロンプトを考えている時間、冷静に計ったら毎回5分から10分かかっていた。1日に何回もChatGPTに頼むから、「AIに指示を出す作業」だけで1時間近く使っている日もあった。
なんか、本末転倒じゃないか。
そう思い始めていた頃、GPTsの存在を知った。
「あらかじめ設定を仕込んでおけば、毎回プロンプトを打たなくていい」
説明を読んだとき、正直ピンと来なかった。そんなに変わるか?と。
でもまあ、物は試しだ。自分のSNS投稿用にカスタマイズしたGPTsを作ってもらった。
そして初めて使った日のことは、たぶんずっと忘れない。
入力欄に、こう打った。
「新商品のリップ、投稿お願い」
たった一言。
Enterを押して、数秒待つ。
出てきた文章を読んで、手が止まった。
ちゃんと「うちのアカウントっぽい」投稿になっている。絵文字の使い方、ハッシュタグの選び方、文末の言い回し。あの15行のプロンプトで伝えようとしていた「ニュアンス」が、一言で再現されている。
嘘だろ。
半年間、毎回毎回あの長いプロンプトを打ち込んでいた俺は何だったんだ。
でも、本当に鳥肌が立ったのはその次だった。
GPTsには「ナレッジ」という機能がある。自分の過去の文章を読み込ませておける機能だ。
面白そうだったから、自分が過去に書いたブログ記事を10本くらい食わせてみた。
そして、いつも通り「このテーマでブログ書いて」と頼んだ。
出てきた文章を読み始めて、背筋がゾワッとした。
これ、俺が書いたみたいだ。
語尾の癖。ちょっとした言い回し。話の展開のリズム。
「あ、この人こういう書き方するよね」と言われたら、自分のことだと気づかないかもしれない。それくらい、自分の文体に寄っている。
しばらく画面を見つめていた。
これ、コピーロボットじゃん。
子供の頃に読んだ漫画に出てきた、自分のコピーを作って宿題をやらせるやつ。あれが、今目の前にある。しかも宿題どころか、仕事の文章をまるごと任せられるレベルで。
怖いと思ったのは最初だけで、すぐに「これ、最高じゃないか」に変わった。
1ヶ月使い続けて、ある感覚が芽生えた。
「右腕ができた」という感覚。
ChatGPTは、毎回初対面の優秀なアシスタントだった。能力は高い。でも、自分のことを何も知らない。だから毎回「うちの会社はこういうスタイルで…」と説明するところから始まる。
GPTsは違う。
「いい感じに返して」で、ちゃんと「いい感じ」が出てくる。
「このキーワードでブログ」の一言で、自分好みの構成案が上がってくる。
言葉にすると些細な差に見えるかもしれない。でも毎日使っていると、この差はとてつもなくデカい。
「あ、こいつは俺のことをわかってくれている」
AIに対してそう思う日が来るとは思わなかった。
今、毎回15行のプロンプトを打ち込んでいた頃の自分を思い出すと、ちょっと笑ってしまう。
あれはあれで必死に頑張っていたんだけど、もう戻れない。一度この体験をしてしまうと、普通のChatGPTがもどかしくて仕方ない。
もし今、ChatGPTを使っていて「便利だけど、なんかモヤモヤする」と感じている人がいたら。
GPTsを試してみてほしい。
あの「右腕ができた」感覚は、使った人にしかわからない。
ちなみに、自分でGPTsを作ろうとしたこともある。
結論から言うと、裏側のプロンプト設計がかなり奥深くて、自作だと「なんか微妙に違う」ものしかできなかった。
結局、最初はプロにオーダーメイドで設計してもらった。ヒアリングで業務の流れを話すだけで、こちらの意図を汲んだ設計が上がってきた。あの精度の差は、自分では出せなかった。
でも、その過程で「どうやってこのプロンプトは設計されているのか」が気になり始めた。
納品されたプロンプトの構造を研究して、自分で別のGPTsを作ってみて、壊して、また作って。
気づいたら、自分でもゼロからGPTsを設計できるようになっていた。
今では、他の人のGPTsも作っている。
あの日「新商品のリップ、投稿お願い」と打って鳥肌が立った体験を、今度は自分が届ける側になった。不思議なもんだ。
▼ あなた専用のオーダーメイドGPTsを作ります