静かな池のほとりで、ハスの花が揺れていた。
水面は穏やかに見えるが、
その根は泥の中に深く張っている。
しかも、その泥は透き通ってはいない。
濃く、重たく、時に匂いさえ伴う――。
それでも花は、まっすぐ空を見上げている。
泥の存在を恥じることも、隠そうともしない。
むしろ、その泥こそが養分になり、
花をよりみごとに咲かせている。
誰にも言えない悩み、苦しみ、後悔。
その「濃さ」に押しつぶされそうになる日もある。
でも――。
悩みが深ければ深いほど、そこから見える光は鮮やかだ。
暗闇に慣れた目だからこそ、朝の一筋の光を全身で受け止められる。
占いをしていると、不思議な瞬間がある。
カードに映し出されたのは、過去の痛み。
けれど、それを見つめた相談者の目が、ふっとやわらかく光る。
「これがあったから、今の私があるんですね」
そう微笑む顔は、まるで泥の中から咲いた花のよう。
もし、泥の中にいるのなら、抜け出そうとしなくても
その泥は、未来を支える栄養になる。
そしていつか、自分でも驚くほど、美しく咲き誇るでしょう。