どっちにする?

どっちにする?

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コラム
朝の光がやわらかく差し込む道端で、奈央さんは足を止めた。
目の前に、二つの道が広がっている。

右の道は、何度も歩いたことのある安心の道。
石畳はきれいに並び、先にはお気に入りのカフェが見える。
今日も穏やかな時間が待っているとわかる道だ。

左の道は、初めて見る小道。
木漏れ日が揺れ、奥のほうから小鳥のさえずりが聞こえる。
どんな景色や人に出会えるのか、想像すると胸が高鳴る。

ふと、昨夜のことがよみがえる。
友人からの誘いのメッセージに、
「また今度にしよう」と無難に返してしまった自分。
送信ボタンを押したあと、胸の奥で小さなざらつきが残った。
あの時、もし「行くよ」と返していたら──
どんな夜を過ごしていたのだろう。

奈央さんは、二つの道を交互に見つめる。
安心できる道も、未知の道も、それぞれに価値がある。
けれど選ばなかった道は、もう同じ形では現れない。

胸の奥で、静かな鼓動がひとつ。
彼女は目を閉じ、朝の空気を深く吸い込んだ。

──今日は、あなたなら、どちらの道を歩きますか?
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