7月25日、今日は「氷の日」。
夏の暑さにぴったりの記念日だと知った奈央は、ずっと行きたかった秩父の阿佐美冷蔵へかき氷を食べに出かけることにした。
朝の駅に滑り込んできた特急ラビュー。
奈央は窓側の席に座り、緑豊かな山々や川のせせらぎを眺めながら、胸の中のざわつきをそっと落ち着かせる。
吹き抜ける風が頬をなで、旅の始まりを告げるようだった。
秩父の冬の厳しい寒さの中で、天然氷はゆっくりと時間をかけて育まれる。
澄んだ空気の池で凍りついた氷は、職人の手で丁寧に切り出され、夏の暑い日に私たちのもとへ届く。
その話を思い出しながら、奈央は自然の力と人の技が織りなす奇跡に思いを馳せた。
やがて、緑に囲まれた阿佐美冷蔵に到着。
店内に入るとひんやりと涼しく、外の暑さとはまるで別世界だった。
目の前に運ばれたかき氷は、まるで雪のように繊細で、ふわふわと優しく盛られている。
一口、口に含むと氷がスッと溶けていき、体の芯まで冷たさが染み渡る。
それとともに、奈央の心の中にあったもやもやも少しずつ溶けていくようだった。
夏の暑さを忘れさせてくれるだけでなく、自然の恵みを感じるその味は、奈央にとって最高の癒しとなった。
「今日は氷の日。こんな日にここに来られたことが、なんだか運命みたい」と奈央は思った。
心のざわつきがほどけ、涼やかな風を感じながら、彼女はゆっくりと帰路についた。