奇跡の「ぼたっ」

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こんにちは。

いつも
ありがとうございます。


先日
映画を観に行きました。



有名な映画だったので
期待して観てたんですが
まったく心に響いて来なくて。



ちょっとガッカリしながら
街を歩く。



ほんとだったら
どこかカフェにでも寄って



映画を思い返しながら
本を読んだりして
芸術的文学的な時間を過ごそうと
思ってたのに。



このまま家に帰ろう。



いつもの道じゃつまらない。



別の道を歩く。



横断歩道。



赤。

から青に。



渡っていると



向こうの方で
自転車にまたがって
こっちを見てる人がいる。



だんだん近づく。



ニヤニヤしてこちらを見ている。



その人をよく見てみる。



二呼吸くらいの間。

があって



「○○さん?」



相変わらずニヤニヤしながら
うなずくその人。



14年くらい前
めちゃ過酷な撮影だった戦争映画に
一緒に出演した仲間だった。



おそらく
10年くらいぶりの再会。



そのまま
横断歩道のとこで
30分くらいだろう
途切れることなく立ち話。



遠回りになるけど
相手の家の方まで歩きながら話す。



連絡先を確認し合い
家が近いので
また会おうと。



また
一人で歩き始める。



スーパーに寄ろうと思ったけど
いったん家に帰ってからにしよう。



初めて歩く道。



この道を通ると
ここに出るんだ~。



だいぶ家に近づく。



歩く。



歩く。



右腕を前に出す。



その右腕の袖に



ぼたっ!



鳥の糞。



うわっ!!



と思うのとほぼ同時くらいに



今日のすべては
この鳥の糞に当たるためだったのか~



納得と感心に心が満たされる。



すべてが
少しでもズレていたら
鳥の糞には当たることはなかった。



期待外れの映画。

行かなかったカフェ。

いつもと違う道。

仲間との再会。

遠回りの仲間との歩き。

初めての道。

寄らなかったスーパー。

歩く時に
前に出す足と手の順番。



なんという奇跡。



なんというシナリオ。



その場でふき取りもせず



そのまま
あわてることもなく
家に向かって歩く。



歩く。
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