読解力がない小学生の本当の原因は語彙|問題集より先にやること

読解力がない小学生の本当の原因は語彙|問題集より先にやること

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「うちの子、読解力がなくて」。国語のご相談で、いちばん多い言葉です。ところが、そう言われた子の答案や音読をよく調べていくと、犯人は読解力ではないことが多いのです。犯人は、別にいます。語彙です。

知らない言葉が混ざると、文章は頭に入らない


文章の中に知らない言葉がいくつか混ざると、内容はほとんど頭に入りません。これは、大人が英字新聞を読むときのことを思い出すと、実感できると思います。

知らない単語が一行に一つあるだけで、読む速度は落ち、意味の骨組みが掴めなくなる。子どもが国語の文章を前にしているときも、同じことが起きています。

本人は「読んでいる」つもりです。目は文字を追っているのですから。ただ、意味が像を結ばないまま流れている。「読解力がない」ように見える状態の正体は、多くの場合、「文中の言葉を知らない」なのです。設問の解き方をいくら教えても、本文の言葉がわからなければ、解きようがありません。

読解の問題集より先に、やることがある


だから、読解力の心配が出てきたとき、最初に手に取るべきものは、読解の問題集ではありません。

問題集は、語彙という土台の上でしか機能しないからです。土台の方を先に太らせる。そして語彙を太らせる場所は、机の上ではなく、日々の会話です。具体的には、親子の会話を、一日に一往復だけ増やしてほしいのです。教材費はかかりません。かかるのは、夕食のときの数分だけです。

家庭でできること|「それどういう意味?」は当たりの日


会話を増やすと、子どもの口から、こんな言葉が出る日があります。「それ、どういう意味?」。

この日が、当たりの日です。知らない言葉に自分で気づき、聞けた日だからです。面倒がらずに、三段で返してあげてください。言い換えて、例を出して、その日の夕食でもう一度使ってみる。「『ゆだんする』は、気をぬくってこと。テストの前に遊びすぎるのも油断だね。……ところで今日、宿題は油断してない?」。笑いながら三回触れた言葉は、その子のものになります。

一回聞いた言葉は忘れますが、三回の形を変えた出会いは残ります。

語彙は、教材からより食卓から増える


語彙力というと、語彙ドリルを思い浮かべるかもしれません。ドリルも役に立ちますが、二十年見てきた実感では、言葉が本当に身につく場所は食卓です。

会話の中で出会い、聞き返し、使ってみた言葉は、生きた文脈ごと記憶に残ります。

オンラインの授業でも、読解が苦手という子とは、問題を解く前に、まず本文の言葉をいくつか一緒に確かめます。「『案外』って、どういうとき使う?」。言葉の意味が埋まった途端、さっきまで解けなかった設問が、すっと解けることがよくあります。読解力が伸びたのではありません。視界を遮っていた霧が晴れただけです。このシリーズでは、読む・書く・漢字と、国語の力を家庭で育てる方法を書いていきますが、すべての記事の土台に、この「語彙は食卓から」があります。まず今晩、一往復から始めてみてください。

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