校正・校閲の手順をご紹介

記事
コラム
こんにちは。校正・校閲のサービスを出品中のみねパセリです。
今年もどうぞよろしくお願いします。

ある程度ちゃんとした文章をどこかに提出したり、ネットに公開したり、誰かに見せたりする前は、間違いがないか見直しますよね。
校正・校閲の仕事は、それをもっと細かく精密にしたような感じですが、どんなことに気を付けて、どんな順番でチェックをしているのかをご紹介します。
やり方は校正者や扱う文章によって変わるので、あくまで私の場合の一例です。

注目する点を変えながら通し読み

デザイン・誤字・表記・内容・論理などなど、校正・校閲でチェックする内容はたくさんあります。でも、一気に全てをチェックするのは大変です。少なくとも私にはできません。
だから私は、「最初はデザインだけ見る」「次は誤字脱字衍字だけ探す」「その次は内容と矛盾をじっくり確認する」みたいな感じで、どこに気を付けるかを変えながら繰り返し読むようにしています。

①下読み

まず、ざーっと最後まで読みます。明らかな誤字脱字はチェックしておきますが、まだ原稿に細かくアカは入れません。ここでチェックするのは……

・デザイン
レイアウトが出来上がっているなら、余白、ページ番号、見出しのサイズ、フォントなどをざっくり確認します。中身を読み始めるとこういうのは視界から消失してしまうので、先に見てしまいます。

・何が書かれているか
テーマや著者の主張、登場人物やストーリーを把握します。当たり前ですが、それが分かっていないと正しく直せないので。

・著者の癖
「無い」を漢字で書いている、重要な用語に” ”を付けている、といった表記や表現の特徴を掴んでいきます。
文章の書き方には正しいとされるルールが一応あります。が、私はその人の書き方を尊重すべきだと思っているので、誤りでないものは統一されていれば基本的にそれでヨシとします(お客様からルールを示されれば従います)。
「無い」は普通はひらがなで書きますが、漢字だからといって読めなかったり意味が変わったりはしません。原稿中に「無い」が10か所、「ない」が2か所出て来るなら、「無い」に揃えます。
その作業のために、「この」原稿にはどんな表記・表現が多く出てくるのかを
掴みます。原稿が変わる度にルールも変わることになるので大変!

・表記ゆれしやすい言葉
「とき・時」「わかる・分かる」など、変換の勢いで表記が揺れやすい言葉が出てきたらメモっておきます。

②ガチ読み(1回目)=メイン校正

再び最初から、今度は指摘を書き込みながら細かく丁寧に読んでいきます。ここがメイン作業です。

・誤字脱字・言葉の使い方
間違いだと思った漢字が正しかったり、知らない言葉が出てきたりと、自分の知識も信用できないので、時には数十字毎に調べものをすることもあります。辞書とネット検索、記者ハンドブックが欠かせません。

・表記ゆれ
①で作ったメモに加えて新たに見つけた表記のばらつきは、Wordの検索機能なども駆使して、出てくる度に一気に揃えていきます。

・目次
実際の見出しと異なる、ページ数がズレてる、というのはあるある。

・事実確認
数字や固有名詞は必ずネットなどで確認します。科学的事実・歴史的事実も可能な限り調べます。
今は公式サイトも充実していますし、信頼できる機関の資料もいろいろ公開されているので助かりますが、ものによってはかなり時間がかかります。

・内容の矛盾
例がふさわしくないとか、同じ内容の繰り返しになっているとか、事実の裏取りができないとか、原稿内で論理に矛盾が出ていないかを確認します。
小説では、立ち位置の描写不足で登場人物がワープしていたり、誰のセリフか分からなかったりすることがあるので、そういうのも指摘します。

・誤解や混乱を招く表現
「間違いじゃないけど、分かりづらいかも」というような表現を指摘します。なぜ分かりにくいのか、代わりにどう書けば良いかも合わせて出します。

・時系列・登場人物
小説は、作中で経過した時間をメモしながら読みます。3年前に25歳で転職したのに今26歳とか、今日は日曜なのに3日前が水曜だったとか、ランチに5時間かけてるとか、たまにあります。
また、登場人物の年齢や立場、自分や他の登場人物を何と呼ぶかなどもメモって確認します。

③ガチ読み(2~n回目)=見直し校正

②とは別の日に、最初から細かく丁寧に読みます。チェック内容は②とほぼ同じ。②で出てきた新たな疑問や矛盾をここで解決し、見落としているミスを拾い上げます。
特別なのは次の内容ぐらい。

・自分が書き込んだ指摘
校正者からの指摘にも誤字があったり、日本語がおかしかったりすることがあるので注意します。また、不要な指摘や、もっとシンプルで著者に伝わりやすい表現がないかも検討します。


短い原稿ならもっとたくさん読むこともありますが、1万字越えの原稿は、たいていガチ読み2~3回で納品します。すなわち、どんなに長い原稿でも必ず①~③の最低3回は読むということです。
お時間は多少いただきますが、かなり緻密にチェックしていると思います!
恐ろしいのが、読むたびに何かしら気になるところが見つかるんですよ……。納期もありますし、どこかで区切らないとキリがないのですが、どんなに気を付けても完璧な校正は難しいものです。

どのサービスも上記の手順で校正します。
やってることの割にはお安いと思いますので、ぜひご利用ください!

小説はこちら。

電子書籍はこちら。

その他の文章(対応できないものもあります)はこちら。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す