「契約書は、まず自分で作ってから専門家にチェックしてもらえば十分では?」
「インターネットの雛形や生成AIを使えば、契約書作成の費用を抑えられるのでは?」
このように考える方は少なくないと思います。
現在では、インターネット上でさまざまな契約書の雛形を入手できますし、生成AIを利用すれば、短時間で契約書の原案を作成することもできます。
そのため、契約書をゼロから専門家に依頼する必要性を感じにくくなっているかもしれません。
しかし、契約書作成において重要なのは、単に契約書という文書を完成させることではありません。
自分の事業や取引内容に合った契約条件を整理し、実際の取引で機能する契約書を作成することが重要です。
そのため、契約書の内容や取引の複雑さによっては、自分で作成した契約書を後から修正するよりも、最初から行政書士に作成を依頼した方が、結果として費用や時間を抑えられる場合があります。
本記事では、契約書作成に強い行政書士が、契約書をゼロから専門家に依頼するメリットについて、前編として次の4つのポイントを解説します。
契約書は文章を作ることより契約条件を決めることが重要
自作した契約書の修正が必ずしも簡単とは限らない
最初から依頼した方が費用を抑えられる場合がある
契約書作成にかかる時間を本業に使うことができる
1.契約書は「文章を作ること」より「契約条件を決めること」が重要
契約書を作成する際、多くの方が最初に考えるのは、どのような条文を記載すればよいのかということではないでしょうか。
もちろん、契約書には法的な意味が明確になるよう、適切な文章を用いる必要があります。
しかし、それ以前に重要なのが、契約当事者間でどのような条件を定めるべきかという点です。
例えば、Webサイト制作委託契約書を作成する場合、次のような事項を検討する必要があります。
制作するWebサイトの具体的な内容
制作費用と支払時期
修正対応の範囲や回数
追加業務が発生した場合の報酬
納品・検収の方法
制作物の著作権の帰属
契約を途中で終了させる場合の取扱い
損害賠償の範囲や上限
これらは、契約書の文章を整えるだけでは決められません。
例えば、著作権について「発注者に帰属する」と記載するのか、「受注者に帰属し、発注者に利用を許諾する」と記載するのかによって、契約当事者の権利関係は大きく異なります。
また、制作費用を契約締結時に全額支払うのか、着手金と残代金に分けるのかによっても、取引上のリスクは変わります。
つまり、契約書作成では、どのような文章を書くかだけでなく、どのような取引条件を採用するかを検討する必要があるのです。
最初から行政書士に依頼するメリットの一つは、この契約条件の整理から相談できることにあります。
2.自作した契約書の修正が、必ずしも簡単とは限らない
契約書を自分で作成した場合、後から専門家に確認してもらえば、短時間で完成すると考えるかもしれません。
しかし、契約書の修正は、単なる誤字脱字の訂正や文章の調整だけで済むとは限りません。
例えば、業務委託契約書に次のような問題があった場合です。
業務内容が曖昧で、委託する範囲が明確になっていない
報酬の支払条件と検収条項が整合していない
著作権の移転時期が定められていない
中途解約時の報酬精算が考慮されていない
損害賠償条項が実際の取引リスクに合っていない
このような場合、一部の条文を修正するだけでは対応できないことがあります。
例えば、報酬の支払条件を変更すると、検収条項や契約終了時の精算条項についても修正が必要になる場合があります。
また、著作権の帰属を変更する場合には、成果物の定義や既存著作物の利用許諾についても検討する必要があります。
このように、契約書の条項は相互に関連しています。
そのため、契約書全体の構成や取引条件に問題がある場合には、部分的な修正よりも、契約書を作り直した方が合理的なこともあるのです。
最初から専門家に依頼すれば、各条項の関係を考慮しながら、契約書全体を設計することができます。
3.最初から依頼した方が、費用を抑えられる場合がある
契約書作成を行政書士に依頼する場合、当然ながら作成費用が発生します。
そのため、まず自分で作成し、必要な部分だけ修正を依頼した方が安く済むと考える方もいるでしょう。
実際、修正箇所が限定されている場合には、その方法が合理的なこともあります。
しかし、契約書の内容によっては、必ずしもそうとは限りません。
自作してから修正する場合
例えば、次のような流れになることがあります。
インターネットで契約書の雛形を探す
複数の雛形を参考に契約書を作成する
自分の取引に合うように条文を修正する
行政書士に契約書の確認を依頼する
契約内容の不備や不足している条項が見つかる
契約条件を整理し直す
契約書全体を修正する
この場合、最初の作成作業に費やした時間が無駄になったり、修正範囲が大きくなったりする可能性があります。
また、契約書の内容によっては、部分修正ではなく全面的な作り直しが必要になる場合もあります。
最初から行政書士に依頼する場合
一方、最初から行政書士に依頼する場合には、例えば次のような流れになります。
事業内容や取引条件についてヒアリングを受ける
契約書に盛り込むべき事項を整理する
取引内容に合わせて契約書を作成する
作成した契約書の内容を確認する
必要な修正を行い、完成させる
最初の段階で取引条件を整理するため、契約書全体の整合性を確保しやすくなります。
もちろん、行政書士の料金体系や契約書の内容によって費用は異なるため、必ずしも新規作成の方が安くなるわけではありません。
しかし、自作に要する時間や、後から大幅な修正が必要になる可能性まで考えると、最初から依頼した方が経済的な場合があります。
契約書作成の費用を比較する際には、専門家に支払う金額だけでなく、自分自身が費やす時間や作業負担も考慮することが重要です。
4.契約書作成にかかる時間を、本業に使うことができる
個人事業主やフリーランス、中小企業の経営者にとって、時間は重要な経営資源です。
契約書を自分で作成する場合、雛形を探すだけでなく、条文の意味を調べたり、自分の取引に合っているかを確認したりする必要があります。
例えば、業務委託契約書を作成する場合には、次のような疑問が生じることがあります。
「請負契約と準委任契約のどちらに当たるのか?」
「検収期間は何日程度に設定すればよいのか?」
「損害賠償の上限は設けた方がよいのか?」
「契約を途中で終了させる場合、報酬はどうなるのか?」
「成果物の著作権はどちらに帰属させるべきか?」
これらを一つずつ調べ、契約書に反映するには相応の時間が必要です。
また、インターネット上の情報を参考にする場合、その情報が自分の取引に適用できるかどうかも確認する必要があります。
行政書士に契約書作成を依頼すれば、必要な情報の提供や契約条件の確認は必要ですが、条文の構成や文案作成を任せることができます。
その結果、経営者や担当者は、営業活動や顧客対応、商品・サービスの提供など、本来の業務に時間を使いやすくなります。
契約書作成を外部に依頼するメリットは、作成作業そのものだけでなく、経営者や担当者の時間を確保できることにもあります。
まとめ|契約書を最初から依頼することは、費用と時間の節約につながる
前編では、契約書をゼロから行政書士に依頼するメリットについて、次の4つのポイントを解説しました。
契約条件の整理から相談できる
契約書全体の整合性を考慮して作成できる
大幅な修正や作り直しによる負担を減らせる
契約書作成に費やす時間を本業に使える
契約書作成において重要なのは、単に契約書という文書を完成させることではありません。
自分の事業や取引内容に合った契約条件を整理し、実際の取引で機能する契約書を作成することです。
そのため、契約書の内容や取引の複雑さによっては、自分で作成してから修正を依頼するよりも、最初から行政書士に作成を依頼した方が合理的な場合があります。
契約書作成の費用を比較する際には、専門家への報酬だけでなく、自作に要する時間や、後から修正する負担まで考慮することが重要です。
後編では、生成AIや雛形の活用、発注者・受注者の立場に合わせた契約条件、契約締結後のリスク対策について解説します。
契約書をゼロから作成したい方は、行政書士へご相談ください
ファビスト行政書士事務所では、個人事業主・フリーランス・中小企業の皆様を対象に、各種ビジネス契約書の作成をサポートしています。
当事務所が重視しているのは、単に雛形の文章を変更することではありません。
事業内容や取引条件を丁寧にヒアリングし、実際の取引に合わせて契約書を一から作成することです。
例えば、次のようなご相談に対応しています。
「新しい事業を始めるので、契約書をゼロから作成したい」
「雛形を使おうと思ったが、自分の取引に合っているか分からない」
「契約書に何を定めるべきなのか、整理するところから相談したい」
「自分で契約書を作成する時間を、本業に使いたい」
当事務所では、ヒアリングを通じて、事業内容や契約条件を確認しながら契約書を作成しています。
また、完成までの修正回数を制限せず、原則として追加料金のない明確な料金体系で対応しています。
契約書の種類やご依頼内容によって対応範囲が異なる場合がありますので、詳細は事前にご案内いたします。
契約書を自分で作ってから修正を依頼するのではなく、最初から専門家に任せるという選択肢も、ぜひご検討ください。
契約書作成に強い行政書士が、事業内容や取引条件に合わせた、実務で機能する契約書の作成をサポートいたします。
※本記事は一般的な契約実務について解説したものです。個別の契約における法的な取扱いは、具体的な事実関係、契約内容、適用法令等によって異なります。