金曜日の夕暮れ、やり残した仕事を片付けようと焦るなかで、ふとペンを握る手に余計な力が入っていることに気がつきました。
「早く終わらせなければ」「次に備えなければ」と、頭のなかが常に何かに追い立てられているような感覚。
金曜日という一週間の節目を迎えてもなお、心のエンジンが過熱したまま、止まり方を忘れてしまっているような、かすかな息苦しさを覚えていました。
東洋思想の五行の視点では、急ぐことや拡大していく勢いは「火(ひ)」のエネルギーに属します。
この火の気が強くなりすぎると、物事は急速に進む反面、自分の内側にある大切な潤い(水の気)がカラカラに乾いていってしまいます。
タロットカードのなかに描かれる、戦車に乗って猛スピードで突き進む若者のように、前しか見えなくなっているときは、一度立ち止まるタイミングが来ている証拠です。
焦りやプレッシャーを感じるとき、それは心が怠けているのではなく、むしろ「ペースが速すぎる」という魂からの静かなブレーキのサインなのかもしれません。
車もスピードを出しすぎると、窓の外の景色がただの線になって消えてしまうように、人生も速度を上げすぎると、身近にある小さな美しさや、自分の本当の心地よさが見えなくなってしまいます。
無理に前を向いて走り続ける必要はありません。
ときには意図的に速度を落とし、ギアをニュートラルに戻してあげる時間が必要です。
この週末は、明日の計画やタスクを一度すべて脇に置いて、ただ「今、自分が好きなこと」に没頭したり、何もせずにぼんやりと過ごしたりしてみませんか。
スピードを落としたときに初めて、あなたの元へ戻ってくる穏やかな景色があるはずです。
今夜はただ、静かに流れる時間に身を委ねてみてください。