【土地の貸付 事業的規模の判断】

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法律・税務・士業全般
質問
令和6年12月に歯科事業を息子様に引き継ぎ、廃業される予定の個人事業主A様でございます。A様は、歯科事業に加え、不動産所得も所有されております。歯科事業の廃業後も、不動産所得は継続される予定とのことですが、その不動産所得が事業的規模に該当するかどうかについてご質問でございます。
A様の不動産所得は、土地の貸付のみであり、建物の貸付はございません。そのため、建物の貸付における形式的基準である「5棟10室基準」は適用できません。
土地の貸付のみの場合、事業的規模の判断は、「社会通念上事業と称するに至る程度の規模で貸付けを行っているかどうかという点(実質基準)」に基づいて行われると理解しております。しかしながら、具体的な解釈が難しく、判断に迷っている状況でございます。
A様の不動産収入は以下の通りです。
① ホームセンターY様への地代(宅地):年間235万円、土地面積25◯◯.55㎡
② 個人S様への地代(畑):年間15万円、土地面積◯,889㎡
もし、不動産所得が事業的規模に該当する場合、歯科事業の廃業届のみを提出して、青色申告は継続する方針でございます。青色申告を継続する場合でも、10万円控除を適用したいと考えております。
上記を踏まえ、A様の不動産所得が事業的規模に該当するかどうか、具体的な判断基準と解釈についてご教示頂けますでしょうか。
回答
1. 不動産所得の事業的規模判定について
不動産所得が事業的規模に該当するかどうかは、形式基準と実質基準を総合的に勘案して判断されます。
形式基準
建物の貸付けの場合:5棟10室基準* 土地の貸付けの場合:明確な形式基準はございません。
実質基準
社会通念上、事業と称するに至る程度の規模で貸付けを行っているかどうか
自己の危険と計算において独立して営まれているか
営利性、有償性の有無
継続性、反復性の有無
人的・物的設備の有無
A様のケースは、土地の貸付けのみであるため、形式基準は適用できません。そのため、実質基準に基づいて判断する必要があります。
A様のケースの検討
収入規模: 年間250万円は、一般的に事業的規模と判断される可能性は低いと考えられます。
貸付先の状況:
ホームセンターY:大規模な土地の貸付けであり、継続性・反復性は高いと考えられます。
個人Sさん:小規模な畑の貸付けであり、事業性は低いと考えられます。
人的・物的設備: 土地の貸付けのみであるため、人的・物的設備はほとんどないと考えられます。
その他: 土地の貸付は、貸しっぱなしになることが多く、人的労力が少ないため、事業規模と判断されない場合が多いです。
これらの要素を総合的に考慮すると、A様の不動産所得は、社会通念上事業と称するに至る程度の規模とは言い難く、事業的規模に該当しない可能性が高いと考えられます。
2. 青色申告の継続について
不動産所得が事業的規模に該当しない場合、青色申告の特典である青色申告特別控除(65万円または55万円)は適用できません。
ただし、10万円の青色申告特別控除は、事業的規模でなくても適用可能です。
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