先日韓国の大手化粧品会社で責任者をしていた方とお話をする機会があった。
その中で印象的だったのは、「韓国コスメ市場の構造は、日本とはまったく違う」という点だ。日本では大手メーカーが市場を広くカバーし、ブランドも長く安定して続く傾向がある。一方、韓国ではごく少数の大手企業を除けば、いわゆるインディーズブランドが市場の大多数を占めている。
つまり、韓国コスメ市場は“無数の小さな挑戦者”によって成り立っているとも言える。
さらに興味深いのは、実際に韓国コスメの製造を担っている企業のシェアだ。意外にも、製造においては日本の某メーカーがトップシェアを持っているケースもある。つまり、「作る技術」は必ずしも韓国国内だけで完結しているわけではない。
しかし、ここからが韓国の強さだ。
“売る力”に関して、韓国メーカーは優秀である。
トレンドの捉え方、SNSを活用した拡散力、コンセプトの作り込み、そしてスピード感。これらにおいて、韓国ブランドは洗練されている。商品そのものでなく、「どう魅せるか」「どう広げるか」に長けているのだ。
もちろん、この構造にはリスクもある。
インディーズが多いということは、競争が激しく、「出ては消える」を繰り返す世界でもある。ヒットしなければすぐに淘汰される。一方で、当たったときの爆発力は非常に大きい。短期間で一気に認知を獲得し、グローバルに展開するブランドも少なくない。
この話を聞いて強く感じたのは、日本においてこれから化粧品販売を目指す人にとって、今はむしろチャンスのタイミングではないかということだ。
従来のように「大手でなければ難しい」という時代は、確実に変わりつつある。SNSやECの発展により、小規模でも勝負できる土壌が整ってきている。むしろ、スピードや柔軟性という点では、小さなブランドの方が有利な場面も多い。
韓国のように、“試して、当てる”というサイクルを回せるかどうか。
そこにこれからの鍵がある。
リスクを恐れて動かないよりも、小さく始めて検証し、改善し続ける。その積み重ねの中から、大きなヒットが生まれる可能性がある。
韓国市場は、日本にとっても大いに参考になる。
そして今、日本でも同じような波を起こせる環境は、すでに整っているのかもしれない。