照明はあかるさの証明だけじゃない②

記事
コラム
「照明」はただ単に
室内の明るさを確保するためだけではないっていうのが
前回からの話。

私たちの生活には
明るさだけでなく適度な暗さも必要で
その空間を心地よく演出ができるもできないも
照明の役割は大きく
すなわち単純に明るいから良いってもんではないのです。

時々リノベのご相談で
数十年前に建てられたお家に伺い現場調査していると
無駄に照明器具がついてなぁと感じることがあります。
そしてそこの主が決まっておっしゃるのが
「ここの照明、全く使ってないです」というフレーズ。

その当時、なんとなくの感覚だけで照明計画を決めてしまった結果
こうなったのだろうと想像がつきます。

そしてそういうお家は
他にもあちこちに数多くの使わない照明が点在していて
明暗にメリハリのない空間だなぁという印象。

照明はそのもののデザインだけでなく
光の色や照らす角度、数、高さ
それらが照らす壁などの材質によっても
空間の印象を左右しちゃいます。

これら全てに気を配ることが心地よい空間への成功の一歩。

じゃあ誰でもこれが簡単にできるかと言われれば
それは専門知識がなきゃなかなか難しく
世の中には照明に特化したデザイナーさんもいらっしゃるくらいなので
きっと私が思っているよりももっともっと奥が深いのだろうと
想像しております。

とは言え
設計やインテリアを生業としている人は
少なからず照明についての勉強はしているはず。
いや、そうであってほしい!!との願望をふくみつつ
とりあえずは設計者またはインテリア担当の方に
どんな雰囲気の空間にしたいかをしっかりと伝えることが大切。

作業中心の空間?
くつろぎの空間?
誰が使う空間?
自分の明るさの好みは?
配置した窓の方角と大きさは?
照明はお任せという人もいるけれど
だからと言って私たち設計側の独断でもいけない。

だってそこで暮らすのは
他ならぬ家づくりをしているその家族なのですから。
ライフスタイルも好みもそこで暮らす家族の年齢も
明るさの基準だってその人によってまちまちだからこそ
きちんと設計者やインテリア担当の人ときちんと伝えたうえで
話し合った方が良いと私は思います。

そこで覚えておきたいのが
自分たちの暮らしに合わせた家の中の照明計画のポイントは3つ。

① 住む人に準じた必要な明るさ
むやみに明るいだけの空間でなく
その空間を使う人、部屋の用途やその部屋で過ごす時間を
考慮して必要な明るさを取る。
特に高齢者がいる場合は、若年者の約2~3倍の明るさが
必要になるので注意。

② 空間の雰囲気
その空間に必要な雰囲気に合わせて
照明のデザイン・配置、光の色味や
明るさのバランスを調整する。

③ メンテナンス性
照明器具の清掃や器具の交換など
メンテナンスしやすいように
間接照明などの収め方や位置や高さにも気を付ける


後悔しないためには
空間の明るさをあげようと一つの照明器具をサイズアップしたり
単純にワット数を上げるといった
とにかく明るけりゃいいという安直な発想は避けて
各空間でどんなことをするのかを想定して
その生活シーンに必要な明かりを足していくという
足し算の照明計画をおススメします。

これらをまとめると
やっぱり間取りを検討しているときが
照明についても検討するベストなタイミングだと
わかっていただけたと思います。

暮らしがランクアップされ居心地のいい住まいのためには
足し算の照明計画を目指していきましょう!

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