いつまで続くか物語~№12

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すぐに他のペアの手法が共有された。
作業員――いわゆる土工の格好で、現場付近を練り歩きながら目を光らせる。
いかにも“そこにいても不自然じゃない”偽装。現場の空気に溶け込む、定番の手だ。

それを聞いた主任は、腕を組み、ほんの数秒だけ考えた。

そして、言い切った。

「ワシらは、それの上をいかなあかん」

なんの“上”なのかは分からない。ただ、妙に自信だけがあった。
主任は立ち上がり、短く言った。

「ワシについてこい」

***

連れて行かれたのは、署近くの作業服屋だった。
蛍光灯の白い光に照らされた棚には、ツナギ、軍手、安全靴、反射ベスト。
現場の匂いがそのまま服になったような店だ。

主任は迷わなかった。
新品の作業服を、二着。

レジで支払いを済ませると、店を出た。

「主任、これで土工の格好ですね」

私がそう言うと、主任は鼻で笑った。

「ちゃう」

ちゃう、って何がちゃうんだ。

そう思った瞬間、主任は道端へ視線を向けた。

つづく・・・
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