富太郎が気の向くままに、再び「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。
今回のお題「尊属殺重罰規定違憲判決」
朝ドラ「虎に翼」で、寅子さんの同級生たちが運営する『山田・轟法律
事務所』の壁には、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、
性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、
差別されない。」と墨書されています。
これは、憲法14条【法の下の平等】第一項の条文です。
また、最近「父親を殺した」という若い女性の依頼人が登場しました。
このような『尊属殺人』は、(当時)刑法200条で、法定刑の下限が
「無期懲役」と定められていたことから、刑期が3年以内のものにしか
付けられなかった「執行猶予」が適用できせんでした。
通常の「殺人罪」なら、「法定減軽(刑法68条2号)」又は
「酌量減軽(刑法71条)」が併用されれば、「2年6月」まで減刑され、
「執行猶予」を付けることがことかが可能なのに、『尊属殺人』では、
「執行猶予」が付けられません。
朝ドラのケースのように、親子間のしがらみを背景として、通常の殺人
事案よりも、被告人に情状酌量すべきケースででもでした。
そして(おそらく)このドラマの基になった事件で、最高裁は、
『刑法200条は、尊属殺の法定刑を死刑または無期懲役刑のみに限っている
点において・・・立法目的達成のために必要な限度を遥かに超え・・・
199条(殺人罪)の法定刑に比し著しく不合理な差別的取扱いをするもの
と認められ、憲法第14条1項に違反して無効である。』と判示しました。
(最大判昭48.4.4)
この判決のポイントは、
① 「尊属に対する報恩尊重という社会生活上の基本的道義を保護する」
という『立法目的』は、合理的な根拠を欠くものではない(問題ない)。
② 『立法目的達成手段』が、甚だしく均衡を失している(手段がやり
過ぎ)。
そして、この被告人に対しての判決は、
主文
『原判決(懲役3年6月の実刑)を破棄する。
被告人を懲役2年6月に処する。
この裁判確定の日から3年間右刑の執行を猶予する。』
です。
この判決を受けて、平成7年の刑法改正によって、200条【尊属
殺人】は削除されました。
なお、「執行猶予」は、猶予期間を何事もなく経過することによって
刑罰権の効力が消滅します(刑法25条)。
前科は付きますが、刑務所に入らなくて済みます。
今回は、以上です。
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★リーガルリテラシーとは、
「自身の身や権利を守るための、最低限の法知識」
です。