オルカンより S&P500の方がよくない? その問いに本気で答えます。
前回の記事「オルカンを選ぶ人が知らない米国依存と分散の正しい読み方」では、オルカンの約6割が米国株だという話をしました。
あの記事を読んだ方から、こんな声が聞こえてきそうです。
「だったら最初からS&P500でよくない?」
今回はその疑問に、正面から答えます。
1. そもそもS&P500って何?
S&P500は、米国を代表する大企業500社に投資する指数です。Apple、Microsoft、Amazon、NVIDIA......そうそうたる顔ぶれが並びます。
オルカンが「世界の勢力図」なら、S&P500は「米国の勢力図」です。
投資先は米国に絞られる代わりに、過去の実績は非常に優秀。長期的なリターンだけを見れば、S&P500はオルカンを上回る時期が多くありました。
「じゃあS&P500でいいじゃん」 ......その気持ち、よく分かります。ただ、少し待ってください。
2. S&P500の強さは「過去の話」でもある
S&P500が高いリターンを出してきた背景には、「米国経済が圧倒的に強かった」という事実があります。
特に2010年代以降、GAFAMを中心としたテック企業の爆発的な成長が指数を押し上げました。
でもこれ、裏返すと「米国がこれほど強い時代が続くかどうか」という話でもあります。
過去の話をすると、1980〜90年代は日本株が世界を席巻していました。当時の投資家が「日本集中で問題ない」と思っていたのは無理もない。その後どうなったかは、ご存知の通りです。
米国が今後も最強であり続ける可能性は十分あります。ただ、「過去そうだったから未来もそう」は、投資においてわりと危険な思考回路です。
3. オルカンの「保険」としての役割
オルカンの米国比率は約6割。前回の記事で「米国寄りじゃないか」と指摘した通りです。
ただ、残りの4割は欧州・新興国・日本などに分散されています。
これが「保険」として機能します。
もし米国が長期的に停滞し、代わりにインドや東南アジアが台頭する時代が来たとしたら?
S&P500はその恩恵を受けられませんが、オルカンは自動的に比率を調整して追随します。
「勝ち馬が変わっても乗り続けられる」 これがオルカンの本質的な強みです。
4. では結局、どっちを選べばいいのか
正直に言います。これは「正解がない問い」です。
ただ、選ぶための軸は明確にできます。
S&P500が向いている人
・米国経済への信頼が強く、多少のブレは気にしない
・リターンを最大化することを優先したい
・「米国が下がる局面」でも売らずに持ち続けられる自信がある
オルカンが向いている人
・どの国が伸びるか分からないから広く持ちたい
・「米国一極集中」に漠然とした不安がある
・判断をなるべく減らして、淡々と積み立てたい
どちらが優れているかではなく、「自分がどちらなら続けられるか」で選ぶ。
これが、長期投資において一番大事な判断基準です。
5. 両方買うのはアリか?
「どっちか迷うなら両方買えばいいのでは?」という発想、実は悪くありません。
ただし注意点があります。
オルカンの6割はすでに米国株です。そこにS&P500を追加すると、米国比率がさらに高まります。「分散したつもりが米国集中」になりやすい。
もし両方持つなら、「米国への比率をどれくらいにしたいか」を意識した上で配分を決めることをおすすめします。なんとなく半々、は分散ではなく米国偏重です。
まとめ
要点を3つに絞ります。
① S&P500は過去の実績が優秀。ただし「米国が強い時代」が続くことが前提
② オルカンは勝ち馬が変わっても自動追随できる保険機能がある
③ どちらが正解かではなく「自分がどちらなら続けられるか」で選ぶ
投資に「絶対の正解」はありません。でも「自分に合った選択」は必ずあります。
この記事が、その判断の一助になれば嬉しいです。
次回は、積立投資の「落とし穴」について書こうと思います。「ドルコスト平均法は万能じゃない」......続きはまた。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資判断を促すものではありません。最新の条件や商品詳細は、各金融機関の公式サイトをご確認のうえ、ご自身の責任でご判断ください。