獣医師解説!愛犬、愛猫がクモに噛まれた!?クモ中毒とは!?【分かりやすく解説!】

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夏に散歩した時、愛犬、愛猫が草むらに入ることは多いのではないでしょうか?

その後に、足を痛がったり、何処かを痒がったり、赤くなっていたり、いろんな症状が出ることがあります。

そんな時は、クモに噛まれた可能性があります。

犬、猫の散歩中の行動が気になる、犬、猫が散歩後に痛そうにしたり、痒がった経験がある飼い主様は実は多いのではないのでしょうか?

当記事では、クモに噛まれた時の作用機序や症状、対処法にいたるまでをまとめました。

限りなく網羅的にまとめましたので、愛犬、愛猫に上記の様な経験がある飼い主は是非ご覧ください。

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✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、 論文発表や学会での表彰経験もあります。

今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。

臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中! 

記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m

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✔︎本記事の内容

愛犬、愛猫がクモに噛まれた!?クモ中毒とは!?

犬、猫がクモに噛まれてしまった時に起こる病態

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シナプス神経過程に毒性がある神経毒を放出し、カルシウムイオンの増加と原因になります。

また他の毒では赤血球に直接毒性のある皮膚壊死性毒もあります。

これはイオン交換チャネルの解放を阻止し、アセチルコリンやノルエピネフリンの放出を促進されます。

咬傷の毒性は秋に高く、春に低いです。

注入される毒液量は多様で、咬傷の15%は毒液を含まないとされています。

犬、猫がクモに噛まれた時の中毒の症状

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神経毒
局所過敏や麻痺の後、知覚過敏が生じます。胸部、腹部、腰部及び他の大キングの痙攣とともに筋肉痛が生じます。

過敏症なしの腹部の硬直は毒液注入の典型的症状です。

呼吸は腹部の痙攣により変化します。

運動性症状は毒液注入後10~20時間以内に低下し、弛緩性麻痺が続いて生じます。

高血圧、及び頻脈が認められる可能性があります。

また心血管系虚脱が原因で、呼吸が止まる可能性があります。

猫は感受性が高く、激しい痛み、流涎、不安行動、及び急速にそして明らかな麻痺が認められ、死に至ることもあります

流涎、局所過敏、昏睡、知覚過敏

筋肉痛、痙攣、腹部硬直、痙攣様活動、呼吸困難、麻痺、頻脈

皮膚壊死型毒
初期は痛みを伴いません。

局所の痛みや紅斑などの皮膚の形状は、2~6時間以内に見られます。

出血や水膨れは咬まれてから12時間以内に認められます。

この病変はしばしば典型的ブルーアイ病変(紅斑をバックに、黒い壊死部中心に白い虚血性のリングが縁取り)に発展します。

皮膚壊死は虚血に続いて起こり、病巣の潰瘍形成は7~14日以内に起こります。

内臓皮膚症候群(熱、関節痛、虚弱、嘔吐、激しい痙攣、溶血、ヘモグロビン尿症、血小板減少症、急性腎不全)は稀に生じますが、注意深いモニタリングが必要となります。

皮膚の治療は極度に遅く、しばしば咬傷後8週間~何ヶ月かを必要とします。
結果として、通常、永久的瘢痕形成が生じます。

局所痛、局所的紅斑、出血、小水疱、ブルーアイ

皮膚壊死、潰瘍、発熱、関節炎

犬、猫がクモに噛まれた時の治療

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神経毒

痛みに対しては鎮痛薬、筋症状のコントロールにはカルシウム、

抗生物質及び抗血清で処置されます。

皮膚壊死型毒

患部の組織の切除や抗生物質、及び反応による内臓皮膚形状の症状の観察で処置されます。

犬、猫がクモに噛まれた時の緊急処置

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神経毒

1. 全身症状がなければ、アスピリンの投与が効果的です。

全身症状は軽度の毒液注入で24〜72時間で出現しますので、中毒動物を入院させる必要があります。

犬 10~25mg/kg 12時間毎
猫 10~20mg/kg 48-72時間毎

2. 抗血清はひどい症状がある時、治療法の初期に投与します。

またジフェンヒドラミン(1mg/kg 筋肉内、静脈内投与)で前治療する事はアレルギー反応の回避に役立ちます。

3. 重度の筋肉痙攣あるいは緊縮

10%カルシウムグルコースを30分かけて静脈内注射します。

容量は必要であれば4~6時間で繰り返すことができます。

しかし筋痙攣が1.5時間以上続く場合はさらなる投与は役に立たないと言われてます。

4. 痛みのコントロール

数日間予後は不明です。完全回復は数カ月かかると言う報告があります。

皮膚壊死型毒
患部組織切除後、一時癒合で治療します。

病変の進行が最大となるまで慎重に切除を遅らせる必要があります。

温水で毎日局所を洗浄します。追加的にデブリードマンが必要になる場合もあります。
傷が感染した場合には、広域スペクトル抗生物質が必要です。

可能であれば、1から2気圧の高比重の酸素を1日2回、三日間投与が必要とされます。

ステロイドは、もし全身的効果が見られるならば使用可能です。

黄疸や貧血を含む血管内溶血症状のモニターを行い、必要であれば輸血を行います。

水和状態及び尿排泄の維持のための輸液の投与を実施します。

犬、猫がクモに噛まれた時の予後

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早期に治療を行えば、予後は比較的良好です。

十分な点滴で水和状態を改善すれば、多くは問題が起きることはありません。

犬、猫のクモに噛まれないための予防

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特にお散歩の時に草むらなどに、顔を突っ込ませない様に、行動はある程度制限する必要があります。

野外には、他にも、犬、猫にとって危険な、ハチ、カエル、ヘビがいるからです。

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