ちいかわから見る心理学的 心の役割診断
映画『ちいかわ』が公開から45日で興行収入139億円を突破したそうですね。
まわりでも「見た?」「泣いた」という声を、あちこちで見かけるようになりました。
そんなちいかわたちを見ていて、ふと思ったことがあります。
「この子たち、性格がバラバラなのに、なぜかチームとして成立している」
実はこれ、心理学の視点で見るととてもよくできた構造なんです。
今日は精神保健福祉士の視点から、ちいかわ・ハチワレ・うさぎを「心の役割」で分析してみます。
読み終わる頃には、あなた自身が普段どの役割を無意識に演じているか、少し見えてくるはずです。
心には3つの"顔"がある
心理学に「交流分析」という理論があります。
人の心には大きく3つの状態があるという考え方です。
親の心(P):ルールを守らせようとしたり、逆に人を思いやり守ろうとしたりする部分
大人の心(A):状況を冷静に判断し、現実的に対応する部分
子どもの心(C):感情のままに動く部分。さらに「素直に甘えられる子ども」と「周りに合わせすぎる子ども」に分かれます
人は誰でもこの3つを状況によって使い分けています。
どれか一つが「正解」ということはなく、それぞれに良いところと、疲れやすいポイントがあります。
順番に見ていきましょう。
タイプ①「素直に甘えられる子どもの心」―うさぎ
思ったことをそのまま行動に移す、あのうさぎのエネルギーです。
このタイプの良いところは、場を明るくする力と、素直な感情表現です。
一緒にいると元気をもらえる、というのはこのタイプの人が持つ大きな魅力です。
一方で課題もあります。
感情のままに動く分、周りの状況を見落としたり、人を振り回してしまったりすることがあります。
本人に悪気はなくても、「もう少し空気を読んでほしい」と思われてしまう場面が出てくるのはこのためです。
タイプ②「大人の心」と「思いやる親の心」―ハチワレ
元気に場を盛り上げながらも、実はまわりをよく見て場を保とうとする、あのハチワレの立ち位置です。
このタイプの良いところは、冷静な判断力と、人を気遣うバランス感覚です。グループの中で自然とまとめ役になりやすいのはこのタイプです。
課題は、気配りが行き過ぎて自分のことを後回しにしやすい点です。
周りのバランスを取ることに意識が向きすぎて、気づけば自分だけ疲れている、ということが起こりやすいタイプでもあります。
タイプ③「周りに合わせすぎる子どもの心」―ちいかわ
常に周りの様子をうかがい、失敗しないように振る舞おうとする、あのちいかわの姿です。
このタイプの良いところは、高い協調性と、場を乱さない繊細な気配りです。
一緒にいて安心感がある、と思われやすいのはこのタイプの強みです。
課題は、本音を飲み込みやすく、自分の気持ちを後回しにしてしまう点です。
「これくらい我慢すればいい」「自分さえ合わせれば丸く収まる」と考え続けた結果、気づいたときには心も体も疲れ切っている、というケースが少なくありません。
あなたは、この3人の中で誰に一番近いと感じましたか?
一つだけでなく、場面によって使い分けている、という方も多いはずです。
「合わせすぎる子ども」は、悪いことではありません
ここで一つ、はっきりお伝えしたいことがあります。
「周りに合わせすぎる子どもの心」が強いことは、性格の欠点ではありません。
それは、これまでの環境の中であなたが身につけてきた"生き延び方"です。
人は誰でも、育ってきた環境の中で「これが安全だ」と感じるパターンを心に刻み込みます。
空気を読む、争いを避ける、自分より相手を優先する。
それは弱さではなく、あなたがこれまで丁寧に周りと向き合ってきた証拠です。
そしてこのパターンは、無意識に染みついたものだからこそ、意識することで少しずつ変えていくことができます。
「これが自分の性格だから仕方ない」ではなく、「これは身についたパターンだから、整理できる」。
この違いを知っているかどうかで、今後の生きやすさは大きく変わってきます。
自分の"役割"に気づくと、少し楽になります
少し自己紹介をさせてください。
私は社会福祉士・精神保健福祉士として、これまで1,500件以上のご相談をお受けしてきました。
人事として200件超の採用選考に携わった経験もあり、「なぜ人はそう考え、そう行動するのか」を、心理面と行動面の両方から見てきました。
ご相談の中でよくお聞きするのが、「気を遣いすぎて疲れる」「本音が言えない」というお悩みです。
これは今日お話しした「合わせすぎる子どもの心」が、日常の中で優位になりすぎているサインであることが多いのです。
自分がどの役割を無意識に選びやすいのかを知ることは、生きづらさの正体を知る第一歩になります。
つまり、気を遣いすぎてしまうのは、あなたの性格が悪いのではなく、これまで無意識に選んできたパターンがあるだけなのです。
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