―回復期・試行期は、失敗してもいい―
回復期が進むと、子どもは何かを試したくなります。
フリースクールに行ってみたい。
習い事を始めてみたい。
適応指導教室を見てみたい。
外へ出る機会を増やしたい。
友だちと会ってみたい。
この時期は、試行期です。
子どもが少しずつ外の世界とつながり直す段階です。
ただし、ここで注意したいことがあります。
最初からうまくいくとは限りません。
新しい習い事に行っても、続かないことがあります。
「やりたい」と言っていたのに、数日後には「興味ない」と言うこともあります。
見学に行ったけれど、次は行きたがらないこともあります。
保護者はがっかりするかもしれません。
「せっかく探したのに」
「やるって言ったじゃない」
「だからやめておきなさいと言ったのに」
そう言いたくなる気持ちも分かります。
でも、この時期に失敗を責めるのは避けたいところです。
子どもは、ようやく動き出したところです。
その一歩が失敗に見えても、本人にとっては大きな挑戦だった可能性があります。
大切なのは、やりたいことはできるだけさせてあげることです。
そして、失敗しても受け止めることです。
「合わなかったんだね」
「行ってみたこと自体がすごいよ」
「また別の場所を探してみようか」
そう言ってあげることで、子どもは再び挑戦する力を失わずにすみます。
親が主導でどんどん決めてしまうのも注意が必要です。
本人の「やってみたい」を大切にしながら、一緒に探す。
一緒に考える。
一緒に振り返る。
私は、この試行期は「成功させる時期」ではなく、「試す力を育てる時期」だと考えています。
失敗してもいい。
続かなくてもいい。
変わってもいい。
大切なのは、子どもがまた自分の足で外の世界に触れ始めたことです。
この時期の小さな挑戦を守ることが、次の安定につながります。