前編では試験範囲の変更に伴い、それにあわせた模擬試験の提供に関する宣伝がメインでした。後編では、その部分とは逆の視点でのお話になりますので、このように前後編に分けさせてもらいました。
2021年入試の範囲から除外される単元の学習は、入試対策における優先度は確実に低くなるとは思いますが、学習する内容を無視することはできません。
少なくとも、これからする話も頭の片隅には入れておいてもらいたいところです。その理由は次の4つです。
1.解ける問題が増える
2.私立高校の入試では出題される可能性がある
3.定期テストには出題される可能性がある
4.高校数学に影響が出る
入試の出題範囲に入っていないからといって、その知識を使ってはいけない、というわけではありません。
前編でお話した通り、限定的な範囲しか使わない問題の作成は難しいです。特に、三平方の定理が使えないとなると、できることがかなり減ります。
裏を返せば、三平方の定理を知っていれば模範解答通りではなくても正解にたどり着くことができる可能性はありますので、知っていて損ということはありません。
また、私立高校の試験範囲は学校によって異なるでしょうから、都道府県公立高校の試験と一致するとは限りません。したがって、各自の併願予定によってはやらざるを得ない場合もあるでしょう。
そして、入試に出ないだけで中学校では学習するはずですから、2学期の期末テストあるいは学年末テストに出題されるのはほぼ間違いないでしょう。
中3の内申点は入試に直接しないからそんなに気にすることはない、という意見もありますが、個人的にもそこはさほど問題ではないと思います。
ただ、高校生になってから大変なのは間違いありません。
特に、三平方の定理における特別角(30°、45°、60°を含む直角三角形)の知識は高校数学の三角比での基礎になりますので、これを知らずに高校生になることを考えると末恐ろしいです。
以上から、試験範囲が短くなったからといって、それは特段喜ばしいことではないと思います。
むしろ、本来なら学習できたはずの内容が満足に習えないということで、やはりコロナによる影響は大きいと言わざるを得ません。
入試で合格することだけを考えたら、対策するべきは前編でお話しした通りに2021年仕様の勉強をするべきですが、余裕があれば4月以降のことを考えて手広く勉強してみるのもよいのではないかと思います。