2023年に総務省が行った調査によると、Instagramの利用率は全世代で約50%に達し、LINEに次いで高い利用率を示しています。多くの企業が自社のInstagramアカウントを開設し、商品の写真を投稿するなどしてプロモーションに活用しています。
しかし、利用率の増加に伴い、Instagramアカウントの乗っ取り事例も増加しています。アカウントの乗っ取りは、ファンの離脱やセキュリティの脆弱性を露呈する原因となります。今回は、Instagramアカウントの乗っ取りを防ぐための注意点を紹介します。
頻発するアカウント乗っ取りの事例
Instagramのアカウントがどのように乗っ取られるのか、実際の事例をいくつか紹介します。
フィッシング攻撃による乗っ取り
まず、フォロワーが多い有名人や人気インフルエンサーのアカウントがフィッシング攻撃によって乗っ取られた事例があります。ハッカー集団がInstagramからの正規メッセージに偽装したフィッシングメールを送り、認証情報を盗み取ることでアカウントを乗っ取りました。乗っ取られたアカウントは、アイコンやプロフィールが変更され、不適切な内容の投稿が行われるなど、アカウントのイメージが大きく損なわれました。
アカウント乗っ取りによるリスク
Instagramのアカウントが乗っ取られると、以下のようなリスクが生じます。
- パスワードの変更 乗っ取られた際にパスワードが変更されると、企業アカウントにログインできなくなります。
- 不適切な投稿 企業の公式アカウントに不適切な内容が投稿される可能性があります。
- 過去の投稿の削除 過去の投稿が全て削除されたり、プロフィールが勝手に変更されることがあります。
- 情報漏洩 企業情報やDM(ダイレクトメッセージ)の内容が公開されるリスクがあります。
- 他SNSへの影響 同じパスワードを他のSNSやサイトで使用している場合、さらなる乗っ取り被害や情報漏洩の可能性があります。
これらのリスクを避けるためにも、アカウントのセキュリティ対策をしっかりと行うことが重要です。
アカウント乗っ取りを防ぐための対策
ここでは、Instagramアカウントの乗っ取りを防ぐために実施すべき対策をいくつか紹介します。すぐに実行できるものばかりなので、ぜひ取り入れてみてください。
1. 複雑なパスワードの設定
パスワードは大文字、小文字、数字、記号を組み合わせた複雑なものに設定しましょう。また、他のSNSアカウントと同じパスワードを使わないようにすることも重要です。予測しにくいパスワードを設定することをおすすめします。
2. 定期的なパスワードの変更
パスワードは定期的に変更することが大切です。特に、SNS運用を担当する部署で退職者が出た場合や、異動が発生した際には、速やかにパスワードを変更しましょう。これにより、内部からの情報漏洩リスクを減らすことができます。
3. 二段階認証の導入
Instagramでは二段階認証を設定することができます。ログイン時にSMS認証を追加することで、セキュリティを強化できます。少し手間がかかりますが、アカウントの安全性を高めるためには非常に有効です。
4. 他のSNSアカウントとの連携を避ける
他のSNSアカウントと連携すると、投稿作業が便利になる一方で、一つのアカウントが乗っ取られた場合に他のアカウントも連鎖的に乗っ取られるリスクがあります。セキュリティの観点から、SNSアカウントは連携しないことをおすすめします。
これらの対策を実施することで、Instagramアカウントの乗っ取りリスクを大幅に減らすことができます。ぜひ、今日から取り入れてみてください。