今回は、ピアニストの辻井伸行さんを占星術で、リーディングさせていただきます。
辻井伸行さんは全盲でありながら世界的なピアニストとしてご活躍されており、また作曲活動もされています。
その辻井伸行さんについて、今回は恒星パランを使用しリーディングいたしました。恒星パランは、ホロスコープで示される天体と恒星がある特定の位置関係を取ったとき、その恒星は関わった天体を通じてその力を発揮すると考えられています。そして、天体と恒星が関わりを持った状態を「パランする」といいますが、恒星パランについての詳しい説明はここでは省きます。
なお、辻井伸行さんの出生時間については、辻井伸行さんのお母様が出版された本に明記されているという情報があり、それを元に作成したホロスコープを使用しました。
今回のこの辻井伸行さんの恒星パランリーディングでは、太陽に絡む恒星と、ホロスコープ上で三角形(ヨッド)をつくっている金星・木星・海王星が、辻井伸行さんの音楽活動に影響を与えていると思えましたので、ここでは海王星も含め、この三角形をつくる3天体に絡む恒星についてお話させていただきます。
まずは、太陽について。
ホロスコープでは、辻井伸行さんは、乙女座に太陽をお持ちでいらっしゃいます。乙女座の太陽は、規律を重んじ、細部にまで注意を払って完璧を目指そうとします。辻井伸行さんはピアニストですから、正確さを追求し細かいところまで神経を行き渡らせて完璧な演奏を目指す、ということが考えられます。
また、乙女座は、ドラマチックな表現を控えるような性質があります。過度な表現で演奏を盛り上げるのではなく、その曲の美しさを引き出すような演奏を好むかもしれません。
その太陽にパランする恒星は
☆特に「社会で活躍するときに強い影響を与える恒星」として…
リゲル 研究・学ぶことに対する意欲、真面目、保守
があります。
乙女座太陽とリゲルのパランは、音楽に対して真摯に向き合い学ぶ姿勢を読み取ることができます。曲の構造や、作曲家が影響を受けた時代背景からそこに込められた想いに踏み込み、その曲が持つテーマの本質を聴衆に伝えようとするかもしれません。
☆そして、特に「熟年期以降に強く影響を与える、あるいは他者との関わりの中で発揮される恒星」として…
アルデバラン 誠実さ、役目について真面目に努力する姿勢、信頼、手堅さ
があります。
乙女座太陽の几帳面さ、真面目さを通して、音楽活動では、自己顕示や派手なパフォーマンスを行うよりも、真摯に誠実に作品の美を追求する姿勢を取ると考えられるでしょう。アルデバランは恒星パランでは、ロイヤルスターのひとつとして挙げられていますが、品があり、高貴さを帯びたようなイメージもあります。手抜きはせず、徹底した誠実さが活動の基盤になって、それが名誉につながるのではないかと思います。
☆「無意識の領域で土台となり、自分の奥深くに根づき力となる恒星」として…
ラス・アルゲティ 自然の秩序を重んじる、自然への敬意
アルニラム まとめる、締める、つなぐ、バラバラにあるものをひとつにする
があります。
ラス・アルゲティとのパランは、人生の歩み方、生き方として、傲慢にならず謙虚な姿勢を持つということかもしれません。
アルニラムは、そのつなぎ・まとめる力を、実務的な場面で活かして、問題解決策を提供できると考えることができます。
アルニラムは「真珠の連なり」という意味があり、これが音楽活動について、音の粒が連なることを連想させます。ひとつひとつの音を丁寧に扱いながら、それを滑らかにつなぎ合わせて表現をまとめていき、演奏を完璧なものに仕上げていくと読み取ることができそうですね。辻井伸行さんの演奏には「透明感があって、ひとつひとつの音がきれいにきこえる」と感想を持つ方は多くいらっしゃいますが、これも「真珠の連なり」に重なるように思えます。
また、あるいは演奏を通じて、会場全体の人々の感情をひとつにまとめ上げ、共鳴させるということなのかもしれません。
乙女座太陽の目指す方向をこれらの恒星からまとめますと、辻井伸行さんの場合は「曲を正確に完璧に仕上げる高い技術と、誠実さを持ってそれを聴衆に届ける活動」ということになるのでしょう。
そして、金星・木星・海王星の3天体について。
この3天体は、ホロスコープ上で三角形(ヨッドと呼ばれる配置)をつくっています。金星と木星が底辺となり、海王星を頂点に二等辺三角形をとります。これは、金星・木星側と海王星側との間で互いの要素を調整し、新たな可能性を見出そうとする配置です。この三角形が生み出す力は、辻井伸行さんの音楽活動に影響を与えているように思えます。
では、3天体に関わる恒星をみながら、この三角形が生み出す力について考えていきます。
まずは、金星・木星側について
金星とのパランは、ひとつあります。
☆「無意識の領域で土台となり、自分の奥深くに根づき力となる恒星」として…
ミルファク 若い兵士の力強さ、挑戦、行動力、無謀、力の誇示
です。
ホロスコープでは金星は獅子座にあり、人を惹きつける表現を持ちます。このパランは、魅せること、表現することへの強い意欲と行動力を表すのではないかと思います。ホロスコープ上では、この獅子座金星は、牡羊座火星と120度の調和の関係にあり、その情熱は強調されて現れそうです。
そしてその表現については、堂々としていて単に美しいだけでなく、人々を勇気づけて元気を与えるようなものになるのではないかと思います。
木星とのパランもひとつです。
☆特に「熟年期以降に強く影響を与える、あるいは他者との関わりの中で発揮される恒星」として…
アルクトゥルス 新たな道を切り拓き導く、異なるものをつなぐ架け橋
があります。
ホロスコープでは、木星は双子座、12ハウスにあります。12ハウスは潜在領域、隠された領域を表す場所ですので、この配置は、情報、知識、伝達を司る双子座のアンテナが、表面には出てこない奥底にある情報を拾い、それを広く伝える力と読むことができそうです。ですので、この木星がアルクトゥルスとパランすると、目には見えない領域からの情報(インスピレーション)を拾い、それを意味のあるメッセージにして、人々に方向性や指針を示すことができるかもしれません。ピアノの演奏を通じて癒やしや希望を届け、人々を導くことができると読むことができるでしょう。
この金星と木星は協力関係にあります。パランを含むこの2天体の結びつきは、土台として、力強く、人々を鼓舞するような力強い表現力があって、得られたインスピレーションをその表現力で指針として示し、人々を導く力になると思います。
そして、海王星とのパランは4つあります。まずは、
☆「若年にから発揮され、人生を通して強い影響を持つ恒星」として…
アルゴル 強烈な情熱、欲望、古代の人々が「女性性」と「自然」に向けて抱いていた畏怖
フォーマルハウト 神秘、芸術、ファンタジー、インスピレーション、理想や夢に駆り立てる力
さらに
☆特に「熟年期以降に強く影響を与える、あるいは他者との関わりの中で発揮される恒星」として…
デネボラ 独自の動き、異なる考え、群れない
シェアト 真実の追求、既存の知識・概念を超えて自由な発想で思考する
があります。
ホロスコープで、海王星は7ハウスの山羊座。7ハウスは、自分と関わる相手を示す場所であり、海王星は枠や壁をぼやかす力を持ちます。7ハウスの海王星は、辻井伸行さんと聴衆の境界が溶け、夢や理想について、演奏を通じて共鳴、共感する力になるでしょう。構築、秩序、形式を重んじる山羊座ですから、演奏される曲は技術的に完成度の高いものになりますし、音響設備が整えられたコンサートホールで、曲の構成やテーマなど計画された「現実的な枠の中での日常を離れる空間」において、音楽活動とおこなうということでしょう。
その海王星がアルゴルとパランするというのは、若い頃から演奏を通じ、聴衆に心の底に溜め込んできた情熱や望みを浮かび上がらせて、感情を揺さぶる力を持つと考えられます。
フォーマルハウトもロイヤルスターのひとつで、カリスマ性を与えます。舞台上で存在感を示し、聴衆を惹きつける力を持っていることでしょう。
また、海王星×デネボラは、多くの人が描く夢ではなく、別の視点から描く夢や理想を示すかもしれません。その夢や理想は、主流なものではない可能性があり、不安を与えるようなことになるかもしれませんが、人々に気づきを与える力にもなり得るでしょう。そしてシェアトの型にハマらない思考で物事を探ろうとする力が、デネボラの「別の視点から描く夢や理想」につながっていくことになりそうです。
この海王星が関わることで、金星・木星側はその表現の仕方に調整が求められます。単に、自分の創造性をストレートに表現するのではなく、聴衆に寄り添いながら、伝えたいメッセージを届けられるようすり合わせが迫られます。すり合わせや調整がおこなわれた結果、聴衆と共感・共鳴を起こしながら、一緒にコンサートをつくり上げるような演奏スタイルになるのではないでしょうか
辻井伸行さんは、完成度の高い音楽を追求しながらも、決して孤高の存在ではなく、聴衆と共に感動を分かち合うことを目指しているのではないかと思います。そしてさらには、音楽活動を通じて、聴く人に希望や気づきを与え導いていくような力を持っていらっしゃるのでしょうね。