ホームページを公開したあと、「なんか運用・改善した方がいいって聞くけど、具体的に何をすればいいんだろう?」と思ったことはありませんか?
Googleアナリティクスやサーチコンソールをとりあえず入れてはいるものの、数字が並んでいるだけで「で、何をすればいいんだ?」とフリーズしてしまう。そういう声、私のところにも結構届きます。
正直、私も最初はそうでした。
さらに困るのが、「数字は見られるようになってきたけど、その数字がいいのか悪いのかわからない」という段階。CTRが3%って高いの?低いの?CVRが1%って普通?みたいな。
この記事では、サイト分析でどの指標を見ればいいか、その数字の「良い・悪い」の目安、そして具体的にどう改善につなげるかを、現場で実際にやっていることを交えながら解説していきます。
まず押さえておきたい「見るべき指標」3つ
サイト分析はツールを入れた瞬間から数字が溢れ出てきて、最初はどこを見ればいいか迷いがちです。でも実際のところ、最初に意識するべき指標はこの3つに絞っていいと思っています。
① セッション数 × 直帰率(Googleアナリティクス)
セッション数とは「サイトに来てくれた回数(≒訪問数)」のことで、アクセス量の基本指標です。ただ、セッション数だけ見ていても意味はなくて、セットで直帰率(サイトに来て1ページだけ見て帰ってしまう割合)も確認するのが大事。
たとえば月500セッションで直帰率90%のページと、月300セッションで直帰率40%のページがあったとします。数だけ見ると前者の方が人気に見えるけど、実際に中身を読んで関心を持ってくれているのは後者の方が多い、ということになります。このギャップに気づけると、改善の優先順位が見えやすくなります。
② 表示回数 × CTR(Googleサーチコンソール)
サーチコンソールでは「どんな検索キーワードで自分のサイトが表示されたか」と「その中でクリックされた割合(CTR:クリック率)」が確認できます。
たとえば「表示回数が多いのにCTRが低いキーワード」があれば、それは検索結果には出ているのにクリックされていない、つまりタイトルやメタディスクリプション(検索結果に表示される説明文)が刺さっていないサインです。逆に「CTRは高いのに表示回数が少ない」なら、そのキーワードで上位に上げる施策をすることで一気にアクセスが伸びる可能性があります。
実際に、あるリフォーム会社のサイトを分析したとき、「外壁塗装 費用 相場」というキーワードで検索結果7位に入っていたのにCTRが1.2%しかなかったことがありました。タイトルを「外壁塗装の費用相場を公開|○○県の実例10件」に変えただけで、翌月には5.8%まで改善した、という経験があります。
③ コンバージョン率(CVR)
CVR(Conversion Rate)は、サイトに来た人のうち実際に目標のアクション(問い合わせ・購入・資料請求など)をした割合のことです。たとえば月1,000セッションで10件の問い合わせがあればCVRは1%になります。
このCVRは「アクセスを増やす」よりも「CVRを上げる」方が即効性が高いことが多いです。アクセスを2倍にするのは大変でも、CVRを1%から2%に上げれば問い合わせ数は同じく2倍になるわけで。特に小規模なサイトでは、まずCVRの改善に集中した方が費用対効果が出やすいと感じています。
各指標の「良い・悪い」基準値はどう考えるか
ここが一番気になるところだと思うので、しっかり書きます。
ただ最初に正直に言っておくと、「この数字なら絶対OK」という万能の基準は存在しません。業種・サイトの目的・集客チャネルによって大きく変わるので。でも「だいたいこのくらいが目安」という数字と、「なぜそう言えるか」の考え方はあります。
直帰率の目安
業界的には「直帰率50〜70%がいわゆる標準的な範囲」とよく言われます。ただ、これはページの種類によってかなり違います。
■ページの種類と目安となる直帰率
ブログ・コラム記事 70〜90%
1記事読んで満足して帰るのは自然。高くても問題になりにくい
サービス・商品ページ 40〜65%
ここが高すぎると「興味はあったけど離脱」のサインになりやすい
問い合わせ・料金ページ 30〜55%
意欲の高いユーザーが来る場所なので、高いと要注意
トップページ 40〜60%
入口として機能しているかどうかの目安
たとえば「ブログ記事の直帰率が85%」なら特に問題ありません。
でも「サービス紹介ページの直帰率が88%」なら、コンテンツか導線に何か問題があるサインとして見た方がいい。同じ80%台でもページの役割が違えば解釈が変わります。
私が現場で一番気にするのは「問い合わせページ周辺の直帰率」です。ここが70%を超えているサイトは、フォームか導線に何か問題があることが多い印象です。
CTR(クリック率)の目安
CTRは検索順位に強く影響を受けるので、「順位込みで判断する」のが基本です。
■検索順位と一般的なCTRの目安
1位 25〜35%
2位 10〜15%
3位 7〜10%
4〜5位 4〜7%
6〜10位 1〜4%
つまり、「検索5位でCTR2%」なら標準的か少し低め、「3位でCTR3%」なら明らかに低い、という読み方ができます。
実用的な判断基準として私が使っているのは「同順位の平均CTRと比べてどうか」という相対比較です。サーチコンソールで同じような順位帯のキーワードを並べて、CTRが明らかに低いものから手をつける、という進め方が現実的です。
また、ブランド名検索(社名や屋号で検索してくる人)はCTRが非常に高い(50〜70%になることも)ので、それが混ざると平均が歪みます。ブランドキーワードとそれ以外は分けて見るのがおすすめです。
CVR(コンバージョン率)の目安
CVRは業種・コンバージョンの種類によって差が大きいので、幅を持たせて把握しておくのが正直なところです。
■業種・コンバージョン種類目安のCVR
BtoBサービスの問い合わせ 1〜3%
地域密着型(工務店・整骨院など)の問い合わせ 2〜5%
ECサイトの購入 1〜3%
無料資料請求・メルマガ登録 3〜8%
予約フォーム(美容室・飲食など) 3〜6%
たとえば地域の整骨院サイトでCVRが0.5%なら「改善の余地がかなりある」と判断できますし、BtoBのコンサル会社で2%取れていれば「まずまず健全」という見方ができます。
ただし、CVRを見るときは「何をコンバージョンとして設定しているか」の確認も必要です。「電話ボタンのクリック」と「フォーム送信完了」では意味が全然違うので、まずそこを揃えておくことが前提になります。
「どこを改善するか」を決めるためのフレームワーク
指標を見て問題点がいくつか出てきたとき、全部いっきに直そうとすると消耗します。私が現場で使っているのは「ファネル(漏斗)」で考える方法です。
ファネルとは、訪問→閲覧→興味→問い合わせという流れを漏斗のように図で見るもので、「どの段階で一番多く離脱しているか」を可視化できます。
たとえばこんなイメージです。
【訪問】 月1,000セッション
↓
【サービスページ閲覧】 400人(60%が離脱)← ここが一番詰まっている
↓
【問い合わせページへ】 80人(80%が離脱)
↓
【問い合わせ完了】 20件(CVR 2%)
この場合、「サービスページで離脱が多い」のが一番の課題です。
問い合わせページを改善しても、そもそもそこに来る人が少なければ効果は小さい。だからサービスページのコンテンツや導線を見直すのが最優先、という判断ができます。
「一番数字が詰まっている場所から直す」というのが私の基本方針です。
具体的な改善施策:何をどう直すか
分析で課題が特定できたら、次は実際に何を変えるかです。よく使う施策をいくつか紹介します。
CTRが低い → タイトル・メタディスクリプションの見直し
検索結果でクリックされないのは、タイトルや説明文が「読者の悩みを拾えていない」ことが多いです。「〇〇のご案内」みたいな会社目線のタイトルより、「〇〇で困ったときに知っておきたい3つのこと」みたいに読者の検索意図に寄せた書き方の方が、クリックされやすくなります。
直帰率が高い → ファーストビューとコンテンツの一致
ページを開いた瞬間に「あ、探してたのはこれじゃない」と思われると離脱します。検索キーワードとページの内容がズレていないか、タイトルとH1見出しが一致しているか、ファーストビューで「このページで何がわかるか」が伝わっているかを確認してみてください。
以前、「〇〇市 水道 トラブル」で上位に表示されていた業者のページが、トップに会社の沿革だけ書かれていたことがありました。そりゃ帰るよな、という感じですよね。サービス内容と電話番号をファーストビューに移動させただけで、直帰率が85%→52%に下がりました。
CVRが低い → CTA(行動喚起)の設計見直し
CTA(Call To Action)とは「お問い合わせはこちら」「無料相談を申し込む」などの次のアクションを促すボタンや文言のこと。CVRが低い場合、CTAの場所・文言・デザインの問題であることが多いです。
チェックしたいポイントはこの3つ。「CTAはスクロールしなくても見える位置にあるか」「ボタンの文言が具体的か("送信する"より"無料で相談してみる"の方がクリックされやすい)」「フォームの項目が多すぎないか」。フォームは項目が1つ増えるごとにCVRが下がると言われていて、必須項目を最小限にするだけで数字が変わることもあります。
改善の精度を上げる:ABテストの考え方
ある程度アクセスが集まってきたら、ABテスト(Aパターン・Bパターンを比べてどちらが良いか検証する手法)を取り入れると改善の精度が上がります。
たとえばCTAボタンの文言を「お問い合わせはこちら」と「まずは無料で相談してみる」の2パターンで試して、どちらのクリック率が高いかを比べる、といった形です。Googleが提供するA/Bテストツールを使わなくても、1ヶ月ずつパターンを切り替えて比較するだけでも十分です。
ただ正直、月に数百セッションしかないサイトでABテストをしても、データが少なすぎて差が出にくいです。ABテストの結果に統計的な信頼性を持たせるには、一般的に1パターンあたり100〜200件以上のコンバージョンが必要と言われています。小規模なサイトでは最初のうちは「明らかにまずい部分を直す」方が優先度が高いと思っています。
まとめ
サイト分析・改善を一言でまとめると、「何が問題かを数字で特定して、優先度をつけて、少しずつ変えていく」作業の繰り返しです。
各指標の目安をあらためて整理すると、直帰率はページの種類によって判断基準が変わること、CTRは検索順位とセットで相対的に見ること、CVRは業種・コンバージョン種類によって1〜6%程度の幅があることが基本的な考え方です。
数字単体で一喜一憂するより、「この状況でこの数字はどう読むか」という文脈で見る習慣をつけると、分析がぐっと実用的になります。
私が一番伝えたいのは「完璧な分析より、小さく動くことを続けること」です。週1回でもサーチコンソールを開いて変化を見る習慣をつけるだけでも、気づけることは増えていきます。まずそこから、ぜひ試してみてください。