「なんとなく使っている言葉、きちんと自分の言葉で説明できていますか?」

記事
ビジネス・マーケティング
「集客って、具体的にどういう状態を目指していますか?」

打ち合わせでそう聞かれたとき、すっと答えられますか?

「えーっと……お客さんが増えること、ですかね……」

この答え、間違ってはいないけれど、何も言っていないのと同じです。実は私自身、ホームページ制作を始めたばかりのころ、クライアントから「このサイトで一番伝えたいことって何ですか?」と逆に質問されて、しばらく黙り込んだことがありました。

「なんとなくわかっている」と「きちんと定義できる」は、まったく別物です。そしてこの差は、ビジネスの現場でじわじわと効いてきます。

この記事では、言葉の定義が曖昧なまま仕事をすると何が起きるか、そして今日からすぐにできる「定義を持つ」ための具体的な方法をお伝えします。

定義がズレると、こんなことが起きる

言葉の定義が曖昧なまま話を進めると、後になって「そういう意味じゃなかった」ということが起きます。これ、抽象的な話ではなくて、実際によくある場面です。

たとえばホームページ制作の現場でよくあるのが、「おしゃれなデザインにしたい」という依頼です。クライアントが「おしゃれ」と言うとき、ある人はシンプルでミニマルなデザインをイメージしていて、別の人は色使いが豊かで個性的なデザインをイメージしています。「おしゃれ」という言葉の定義を最初に揃えずに進めると、完成したデザインを見て「なんか違う……」という話になりやすい。

これはホームページに限らず、日常のビジネス会話でも同じことが起きます。「集客を強化しましょう」と話していても、一方は「新規のお客さんを増やすこと」を指していて、もう一方は「既存のお客さんにもっと来てもらうこと」を指していたりする。同じ言葉を使っているのに、目指している方向が違う、という状態です。

定義のズレは「なんとなくわかり合えている気がしている」ときが一番危ないです。話が噛み合っているように見えて、実は違うものを見ている。それが後から大きなズレとして出てきます。

「定義する」とは、辞書を引くことじゃない

「言葉を定義しましょう」というと、「辞書みたいな正確な説明を作らなきゃいけないのか」と感じる人もいると思います。でも私の言いたいことは、もっとシンプルです。

「自分はこの言葉を、どういう意味で使っているのか」を一言で言えるようにする、それだけです。

たとえば「信頼」という言葉。辞書には「信じて頼ること」と書いてあるけれど、自分のビジネスにおける信頼って、もっと具体的に語れるはずです。「納期を必ず守ること」なのか「わからないことを正直に伝えること」なのか「期待を上回る提案をすること」なのか。どれが正解ということはなくて、自分がそれをどう使っているかが大事です。

以前、塗装業を営む経営者の方とホームページの打ち合わせをしたとき、「御社の強みって何ですか?」と聞いたら、こんなふうに答えてくれました。「丁寧さです。でも丁寧って言葉は誰でも使うから、私が言う丁寧は、作業が終わった後に床の養生テープを一本ずつ手で剥がして、跡が残っていないか確認することです」と。

この言葉の具体さが、そのままホームページのコピーになりました。「丁寧な仕事」ではなく「テープ一本、丁寧に」。定義を持っている人の言葉は、そのまま使えるほど力がある。

今日から使える「定義チェック」の3ステップ

では、実際にどうやって言葉の定義を整理していけばいいのか。私がよくやっている方法を3つ紹介します。

ステップ1:よく使う言葉を5つ書き出す

まず、自分が仕事の中でよく使うキーワードを5つ書き出してみてください。「品質」「丁寧」「安心」「提案力」「実績」など、チラシやホームページに書いていそうな言葉でOKです。

ステップ2:「それって具体的にどういうこと?」と自問する

書き出した言葉一つひとつに対して、「それって具体的にどういうこと?」と自分に問いかけてください。「品質が高い」なら、どういう状態が品質が高い状態なのか。「安心できる」なら、何があると安心できるのか。答えが出てきたら、さらに「たとえば?」と深掘りしてみます。

ステップ3:「知らない人に3文で説明できるか」で確認する

最後に、業界のことを何も知らない人(友人でも家族でもOK)に3文以内で説明できるか確認します。3文でスラスラ言えるなら、定義が整理されている証拠です。「えーっと……」が出てくるなら、まだもう少し言語化が必要なサインです。

この3ステップ、最初から全部完璧にやろうとしなくていいです。まず1つの言葉を選んで、10分だけやってみてください。それだけで、その言葉に対する自分の解像度がぐっと上がります。

言葉の定義が整うと、ホームページの文章も変わる


言葉の定義を持つ習慣がつくと、打ち合わせでの会話だけでなく、ホームページやチラシの文章にも変化が出てきます。

定義が曖昧な人が書く文章には、「丁寧な対応」「高品質なサービス」「安心してお任せください」のような、どのお店にも使えそうな言葉が並びがちです。読んでいる人には「どこも同じことを言っている」と感じられて、記憶に残りにくい。

一方、定義が整っている人が書く文章は「何が」「どのように」がはっきりしています。「初めてのご相談から見積もりまで、ご質問への返信は24時間以内にお送りしています」のように、具体的な行動で語られている言葉は、読んだ人の頭にすっと入ってきます。

信頼を伝えたいなら、「信頼されています」ではなく「信頼されている理由」を書く。それが、言葉の定義を持つことで自然にできるようになっていきます。

まとめ:まず1つの言葉から始めてみてください


言葉の定義を整えることは、大げさなことじゃないです。「自分はこの言葉を、こういう意味で使っている」と言えるようにする、ただそれだけのことです。

でも、それができているかどうかで、話したときの印象も、書いた文章の説得力も、大きく変わってきます。

今日の打ち合わせや会話の中で、自分がよく使う言葉を1つ選んで、「それって具体的にどういうこと?」と自問してみてください。そこから始めるだけで、じわじわと自分の言葉が整っていきます。

ホームページの文章づくりでは、こうした「言葉の整理」から一緒に取り組んでいます。「自分のビジネスの言葉がうまく言語化できていない」と感じている方は、お気軽にご相談ください。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら