夢に好きな人が出てきたら焦った方が良い

記事
コラム

①夢と脳(心)の関係

-1:夢とは
-2:フロイトと夢判断
-3:夢占いとは
-4:科学で証明する夢
-5:夢占いについて推測出来る事

①-1:夢とは
└夢はレム睡眠中に見る幻覚のこと

夢を『目を覚ました時に覚えている睡眠中の出来事』とした場合は、レム睡眠だけではなく、全ての段階で人は夢を見ています。
最も深いノンレム睡眠の時に起こされて夢の内容を質問されたとしても、回答出来る人は20%未満の確立でいるそうです。

しかし、多くの人が考える『夢』や、睡眠研究などで『夢』を指す時はレム睡眠中の夢を指す事から、今回の記事内容もこのレム睡眠時の夢に特化した話しにしたいと思います。

①-2:フロイトと夢判断
└科学では証明する事が出来ない、夢判断

精神分析学の創始者である、ジームクント・フロイトは1900年に『夢判断』という書籍を出版しています。
父の死後自己分析によって生み出されたもので、その内容は”夢は願望充足である”というものでした。

しかし、この中に書かれている説は、科学で証明できないという問題を抱えていました。同時に、彼の説が間違っているという事も証明出来ないため、現在に至るまで一定の影響力があると言われています。
複数のフロイト派精神分析医に同じ人の同じ夢を分析させたとしよう。もしすべての分析医が同じ答えを出したのなら、その手法は科学的だ。しかし実際は、夢の解釈は分析医によって大きく異なる。明確な構造と、客観的な判断基準が存在しないからだ。やはりこれでは、科学的な手法と呼ぶことはできないだろう。 引用…マシュー・ウォーカー『睡眠こそ最強の解決策である』

①-3:夢占いとは
└俗信から科学へ、今後も解釈が発展する可能性のある面白い分野

古くは古来中国、三国志の魏書方技伝にも登場する『夢占い』
俗信として語り継がれ、ヨーロッパでも紀元前1世紀には夢占いの著作が残されています。
その『占い』を『学術的対象』として持ち上げたのは、先に書いたフロイトであり、残念ながら現時点ではフロイトの『夢判断』を科学的に証明する事は難しいと言われています。

しかし、この後書く、科学的に夢を解釈した『答え』にもあるように、2006年時点で夢は『記憶システムの機能の一部』という見方が一般化しています。

ただし、脳の事は2020年現在の段階でも、まだ殆ど分かっていないと言われているので、今後どの様な研究がなされて夢という解釈が変わっていくのか、という未来への期待が膨らみます。

①-4:科学で証明する夢
└眠る前日に起きた出来事の“感情”を反映させるのが、夢

夢を語る上で『昨日の出来事が夢に反映しているんだよ』という解釈は良く聞くものですが、どうもそうは言えない様です。
先に引用したマシュー・ウォーカーの『睡眠こそ最強の解決策である』の中で、マシューはある実験について書いています。
29人の健康な若い大人を対象に、2週間にわたって毎日の活動を詳しく記録してもらった。その日にしたこと(仕事に行ったこと、その日に会った友だち、食事の内容、やったスポーツなど)と、日記を書いているときの感情を記録する。それに加えて、夢の日記もつけてもらった。毎朝起きてすぐに、覚えている夢をすべて書く。2つの日記が完成したら、それを第三者に読ませ、日中の活動と夢の内容の間に何らかの関係があるか判定してもらう。
-中略-
2週間の実験で、スティックゴールドが集めた夢の報告は、全部で299になった。その中で、間違いなく「昼の残滓」と呼べるものは、1%か2%しかなかった。つまり夢は、単に昼間の経験を再現しているのではないということだ。
-中略-
しかし、スティックゴールドは、昼間の出来事と夢の間にある強いつながりを1つ発見した。それは感情だ。覚醒時に感じた大きな感情や心配事のうち、35%~55%は、その日の夢に、はっきりそれとわかる形で登場していたのだ。第三者の判定員だけでなく、被験者自身も、両者の共通点をはっきり見ることができた。 引用…マシュー・ウォーカー『睡眠こそ最強の解決策である』
更にここに『脳』の話しを持ってこようと思います。

レム睡眠中の脳をチェックすると、
・視覚認知を可能にする部位
・運動野
・記憶を司る部位
・感情を司る偏桃体
上記の4つの部位の活動が活発的になるという事が分かっています。

加えて、最後の『感情を司る偏桃体』とそれを覆う『帯状皮質』、この感情を生んで処理する部位に関しては、起きている時よりも30%活動量が増える事が分かっています。

そしてそんな中、全く活動しなくなる部位もあります。
それが『前頭前皮質』という部位で、ここは合理的な思考と論理的な意思決定を司る部位です。
普段この前頭前皮質は感情を司る偏桃体など原始的な脳の部位に向かって命令を出している、というイメージです。

つまり、『脳の視覚、運動、感情、経験の記憶を司る部位が活発になる一方で、合理的な思考を司る部位が静かになるのがレム睡眠』なのです。

この事から、夢に出てくる出来事というものを紐解いてみましょう。

①-5:夢占いについて推測出来る事
└夢は、合理的な判断が出来ない状態で前日の感情をベースに作り上げた脳の記憶整理

という結論は断言出来ないのが難しいところです。
特に最後の『脳の記憶整理』という部分が曖昧で、そこは『脳の願望投影』とも言えるかもしれないし、まだまだここを言い切るには不明点が多いのが現状です。
そういう意味で、フロイトの夢判断(夢は願望充足である、という指摘)も否定しきれない、という事なのだと私は解釈しています。

ただ、夢占いも基本的にはこの事が前提となって出来上がっているものが多いので、『前日の感情』という点や『記憶』という点が1つのポイントになっているという事は否定できません。

そういうまだまだ曖昧なものだ、という前提で申し上げるとするならば、夢占いはやはり
・気楽に楽しむもの
・少し気にするべきもの
この両方を併せ持っていると言えるでしょう。

②好きな人が夢に出てきたら焦った方が良い理由

-1:その恋がうまくいっている時に好きな人は夢に出て来ない
-2:この夢を見たら願望夢
-3:良い解釈の夢

②-1:その恋がうまくいっている時に好きな人は夢に出て来ない
└前日の感情を思い出してみよう

今回、結論を先に書かずに①で夢というものについて長く書いたのは、これを伝えたかったからに他ならないです。

前日の感情が夢に大きく影響するのであれば、好きな人に対しての感情が夢に影響するという事になります。
なので、前日の感情を思い出してみてください。

・好きな人の事を強く考えていた
・好きな人の事を考えて不安になっていた
・好きな人の心配をしていた
・恋人との将来について不安を感じていた

例えば上記の様な事を考えていたとしたら、その感情が強く夢に反映される事になります。

そういう意味で、うまくいっている恋は相手が夢に出て来ない=夢に出てくるほど心配したり強く願ったりする必要が無い、という事になります。
ただこれは、深層心理も含まれていると個人的には解釈しているので、自分が前日に明確にその事について考えていなかったとしても、夢にそれが感情として反映されることはあるのではないか?と思っています。

②-2:この夢を見たら願望夢
└好きな人が出てくる夢の多くは願望夢

主に下記の夢は願望夢と言われています。
そうなりたい、という希望や相手との関係に対する不安、などからくるものです。

・デートの約束をする夢
・デートする夢
・キスする夢
・セックスする夢
・イチャイチャする夢
・バッタリ再会する夢
・告白する夢
・告白される夢
・恋人になる夢
・夫婦になる夢
・プロポーズされる夢
・プロポーズする夢
・結婚式を挙げる夢
・待つ夢
・抱きしめられる夢

この辺は願望夢です。
相手が「好きな人」である場合前提ですので、相手が「知らない人」であった場合などは解釈が変わってきます。
相手が「好きな人」で既に「恋人」の場合は、現状に不満を持っているという場合に、希望/願望として見る夢という解釈になります。

少し変化球なのは下記です。

・手を繋ぐ夢
└これは、単に手を繋ぐ夢であれば願望夢ですが、相手がその手をリードしている夢であれば良い意味として解釈出来るため、相手も夢主の事を想っている可能性が出てきます。

・一緒に食事をする夢
└これは、性欲が高まっているという夢で、基本的には願望夢です。ただし、その食事が美味しかったり、食事が楽しかったり、良い印象が残る夢であった場合は今後好きな人との関係が良い方向に進む可能性が出てきます。

・振られる夢
└この夢を見た場合は予知夢だと言われています。夢主がかなり強く片思いを自覚している時に見る夢と言われているので、この様な解釈なんですね。

②-3:良い解釈の夢
└数は多くないけど、良い解釈の夢もあるので希望を持とう

とはいえ、好きな人が夢に出てきた時に良い解釈となる夢もいくつかあります。

・相手の家へ行く夢
└関係に進展がある時に見る夢です。あなたがお相手の家でくつろいでいれば、その可能性が高まります。

・喧嘩する夢
└関係がより一層深まるという解釈の夢です。ただし、この場合は恋愛として関係が深まるというよりは、一人の人間として関係性が深まるという意味合いの方が強い様です。

・無視される、嫌われる夢
└不安な時に見やすい夢ですが、多くの場合は夢主の取り越し苦労であることが多いため、夢の通りになる可能性は低いと言われています。

・果物や甘いお菓子をもらう夢
└甘いものをもらう夢は、その相手から愛をもらえるという解釈になるので、喜んで良い夢かと思います。

・バックハグされる夢
└抱きしめられる夢は願望夢ですが、これがバックハグになると大きく解釈が変わります。相手からバックハグされる夢を見た場合、相手が強く夢主の事を想っている可能性が高いため、大変良い解釈となります。

③まとめ


夢占いの解釈を見ても分かる通り、科学的に分かっている『前日の感情の反映』に沿ったものも、何故その解釈になるのか不明なものも多いです。
やはり2020年時点ではまだ夢と脳の関係について正確なことが分かり切っていないので、ほどほどに楽しむことが良いのかもしれません。

ただし、『感情』という側面から見た時にはやはり“その恋がうまくいっている時に好きな人は夢に出て来ない”と思うので、夢に好きな人が出てきた時には、ネガティブにならないように、現実の恋が実る様に、良くなるように行動していきましょう。
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