キャリアの棚卸しが進まない本当の理由

キャリアの棚卸しが進まない本当の理由

記事
学び
履歴書や職務経歴書を書こうとして、手が止まってしまう。
棚卸しをしようと思ったのに、うまく進まない。

そんな状態になる方は少なくありません。

何をしてきたか。
何が強みなのか。
どう書けば評価されるのか。

考え始めた途端に言葉が止まるのは、珍しいことではありません。
そして多くの場合、それは「経験がないから」ではありません。

棚卸しが進まない理由は、もっと別のところにあります。

*

最初から「正しい形」にしようとしてしまう


棚卸しが苦しいときに起きやすいのが、
最初から整った説明を作ろうとしてしまうことです。

きれいにまとめなければならない。
筋が通っていなければならない。
評価される形になっていなければならない。

そう考えるほど、材料が散らばって見えます。
結果として、「何も書けない」という感覚に近づいていきます。

でも、棚卸しの最初から完成形を目指す必要はありません。

*

「語れる経験=大きな成果」という前提が強すぎる


棚卸しが進まない背景には、
「語るなら、立派な実績でなければならない」という前提が入り込むことがあります。

目立つ成果がないと書けない。
すごい話がないと弱い。
他の人と比べて見劣りする。

そう思った時点で、候補が一気に減ってしまいます。

けれど実際には、評価される材料は派手な成果だけではありません。
安定して任されてきたこと、繰り返し頼られていたこと、
問題が起きない状態を支えてきた動きも、十分に材料になります。

*

「記憶の残り方」と「書類が求める情報」がずれている


人の記憶は、事件のような出来事を優先して残します。
一方で、仕事で価値になりやすいのは、むしろ日々の積み重ねです。

大きなトラブルが起きなかった。
現場が滞りなく回っていた。
関係者の間が崩れなかった。

こうした状態は、努力の結果でも記録として残りにくいものです。
だから棚卸しの場面で「何もなかった」ように感じやすくなります。

ここに、棚卸しの進まなさの正体があることも少なくありません。

*

整理は「評価」ではなく「観察」から始めた方が進みます


棚卸しが止まるときは、
いきなり強みやアピール材料を探さなくても大丈夫。

代わりに、事実としての観察から始めた方が
進みやすいことがあります。

たとえば、

・よく頼まれていたこと
・自然に任されていたこと
・繰り返していた調整
・トラブルを大きくしないための動き
・継続のために整えていたこと

こうしたものは、自分にとっては当たり前で、見えにくい。
でも、書類の材料としては十分に使えることが多くあります。

*

いきなり文章にせず、「部品」にしてみる


棚卸しは、最初から文章にしようとすると難しくなります。
まずは、短い言葉にして置いていく方が現実的です。

・整えていた
・支えていた
・防いでいた
・つないでいた
・調整していた

動詞の形で置いておくと、
後からいくらでも具体化できます。

最初の目的は「きれいに書く」ことではなく、
思考を動かすことだけでOKです。

*

今日のまとめ


棚卸しが進まないのは、経験がないからではないことが多くあります。

・最初から完成形を求めてしまう
・語れる経験の基準が高すぎる
・記憶の残り方と書類の形式がずれている

こうした要因が重なって、
材料が見えなくなっているだけのケースも少なくありません。

焦って結論を出す必要はありません。
まずは観察して、短い言葉で部品を置いていく。
そこからで十分、前に進めます。

*

このシリーズについて


就職活動や書類作成の話になると、
どうしても「うまく書けない理由」や「足りない部分」に
意識が向きがちです。

何が足りないのか。
どこが弱いのか。
どうすれば評価されるのか。

けれど実際には、
つまずきの原因が能力や経験の不足ではなく、
「整理の入口」にあることも少なくありません。

書けない。
進まない。
言葉にならない。

そう感じたときは、
自分を責める前に、やり方の方を見直してみる。

それだけで、状況の見え方が変わることもあります。

このシリーズで触れてきた内容が、
どこか一つでも考えるヒントになっていれば幸いです。

焦らず、比べず、
ご自身の歩んできた時間を土台に、
必要な言葉を整えていってください。

*

このブログでは、
書類や言葉の整理に関する内容を
継続的に書いていきます。

もし個別に相談したい場合は、
プロフィールからサービスをご確認ください。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す