怒りの根源「扁桃体」について勉強しよう

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コラム
扁桃体という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

脳の画像を見ると一番奥の中心の方にある部位。
脳を構成要素を地球に例えると、中心部の核に当たる部分を呼吸器系などの命に関わる部位をコントロールする「脳幹」となる、上を包んでいるマントル部分を記憶や感情などをコントロールする「大脳辺縁系」旧脳とか動物脳と言われたりしています。そして地球の表面部分にあたるのは、理性や知性などの人間らしさをコントロールする前頭前野などがある「大脳新皮質」と分類できます。


人間が今のような文明を築けたのは大脳新皮質の発達のおかげとも言えます。そして今回お話しするのは大脳辺縁系にある「扁桃体」です。





感情による判断は一瞬


扁桃体は動物脳とも呼ばれている部位の一つです。
人間と動物との差は何か、と聞かれたら「理性」と答える人は多いかと思います。つまり上記の書いたことを当てはめると動物脳を抑える前頭前野が働き人間らしい感情をコントロールした接し方や、言葉使い、暴力などを使わずに解決できるスキル、人生を生きることだけではなく楽しむことで幸福を追求できることができます。


ところが、動物脳は非常に強力なコントロールを持っています。例えば動物脳よりも中心にある脳幹などは運動や呼吸器系をコントロールしますが、人は息を止め続けると苦しい苦しい呼吸したいと息を吸いたくてたまらなくなるはずです。それに抗い続けるのはほぼ不可能かと思います。何せ命の危険がありますからね。

それだけ脳を支配するコントロール力が強いということになります。動物脳でも同じで人は脳の中心部から外側にかけてコントロール力が変わります。

では扁桃体の役割は何でしょうか。


答えは「不安、感情」です。




例えば猫カフェに行くと、初めてあなたをみた猫の反応は実に多種多様だと思います。よく見かけるのは近づこうとするあなたから真っ先に逃げる猫でしょうか。

とにかく一心不乱に逃げます笑


それから触ろうと近くに寄ってくるあなたを見たら距離を取って離れる猫とか、逆に興味を持って近づいてくる猫とかを見ると思います。
これは猫の扁桃体が一瞬であなたの表情、体格、雰囲気、匂いなどの情報を元に自分の命の危険度を測って判断しているわけです。
家猫の場合は毎日のように寝食を共にしていきます。
笑顔を向けたり、話しかけたり、ご飯をあげたり、遊んだり、あなたは猫の関心を引こうと一生懸命関わろうとするはずです。

その結果、繰り返しの行動によって次第に扁桃体はあなたをみた時に安全なのか危険なのかを判断する材料を経験を積むことで獲得します。
長年連れ添った猫であるのなら、あなたをみた瞬間からゴロゴロ鳴きながら近づくこともあるでしょう。このように扁桃体は生死に関わるレベルで相手を見抜く必要性から体の動きに関わる脳幹に近くにあるわけです。


不快な上司や、奇怪な行動をする他人を見た時に、これは近づかない方がいいなどの判断をしているのは扁桃体であり、過去の記憶や経験をもとにその引き出しを見比べた結果でも判断することができます。実は扁桃体の一番近くにはあ記憶に関わる海馬もあるのです。



怒りと扁桃体

猫の反応には様々で、例えば虐待を受けてきたり人に対してネガティブな猫の場合は人を見た瞬間からシャー!と声を荒げて怒りを表します。
人=自分に危害を加える人という記憶をしたことで、様々な経験からシャーを声を出す、爪を出すなどを行うと人はあまり近づいてこないと学習したことで臆病な猫はこのような行動に出ることがあります。

こうした猫を見て問題のある猫だな、と思い積極的な関わりをとらない飼い主であるのであれば永遠に猫との関係性は改善には向かないでしょう。
逆に猫のこの行動を恐怖からくる行動だとな、とわかっている飼い主であるなら長い時間をかけてでも仲良くなろうと、遊んだり、気を引いたり、ある程度の距離を持って接し続けたり、自分が害を与えない存在だとアピールすることで少しずつ少しずつ猫の緊張感を解こうと努力をするはずです。

腎不全による点滴注射を自宅でおとなしく受け入れてくれた高齢猫たちも長い年月をかけて私と信頼関係を結んでいるからこそ太い針を肌に刺すという嫌な行為でさえ牙を剥いて抵抗するなどはしないでいてくれているのは猫の扁桃体が私が敵ではないことを無意識に理解してくれているからだと言えます。


怒りの感情とは恐怖や不安からくる扁桃体によって自分を守るための防衛手段の一つと言えます。よく怒りは第2感情であってその根本には第1感情があるという理由ですね。
怒りに振り回されている人はこの扁桃体からくる猫のシャー!を自分の強さだと勘違いしている人なのかもしれません。


この怒りをコントロールするためには、もう一つの新しい脳である前頭前野が深く関わってきますが、それはまた別の機会でお話しできたらと思います。



ここまでみていただきありがとうございました。
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