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小説
ミクロ短編小説 ♯5
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小説
ミクロ 恋愛経験豊富な関西兄さん
2025/12/04 12:58
── 真実の寸前で壊れる静寂 ──**
「……そっか。
じゃあ、聞かせてもらおうか。
君が“ずっと前から”言えなかった気持ちを。」
優斗の言葉に、
彼女の肩が小さく震えた。
ミクロも息をのみ、
言葉が出る瞬間を待った。
街灯の下、
夜風すら止まったみたいに静か。
彼女はゆっくり顔を上げて——
ミクロをまっすぐ見つめた。
その瞬間、
ミクロの胸がぎゅっと掴まれる。
(ああ……これは、“俺”の話や。)
彼女の唇がふるえて動く。
「私……ずっと前から——」
そこまで言ったとき。
ピカッ——!!!!
突然、
眩しいライトが三人を照らした。
「おーい!あんたら、こんなとこで何してんねん!」
店の駐車場に入ってきたタクシーのライト。
しかもドライバーの声がやたらデカい。
三人とも一瞬動けなくなる。
最悪のタイミングすぎる。
ライトが直撃して、
彼女は思わず目を閉じて口をつぐんだ。
ミクロは眉をひそめ、
優斗も呆れたように息を吐いた。
タクシーがようやく通り過ぎると、
さっきまでの“告白の空気”はきれいに消えていた。
優斗が彼女を見る。
「……続き、言ってくれる?」
でも彼女は下を向いたまま、
胸に手を当てて息を整えていた。
ミクロが心配そうに声をかける。
「大丈夫か?」
「……うん。ただ……」
言葉を探しながら、
彼女は顔を上げた。
でも——もう、あの“言いかけた気持ち”の温度は
完全に消えてしまったように見えた。
優斗がさらに一歩踏み込む。
「さっきの続き。
俺は聞きたい。ミクロ君もやろ?」
ミクロも視線で彼女に問いかける。
鼓動が、さっきの倍の速さで鳴ってる。
しかし彼女はゆっくり首を振った。
「……今は、言えへん。」
「どうして?」優斗が眉を寄せる。
彼女は少し震える声で答えた。
「だって……
あの瞬間の気持ちじゃないと、
本当の意味にならへんから。」
ミクロの胸がまた痛む。
その言葉は、
“本気”の証やと分かるから。
優斗が沈黙し、
ミクロも何も言えなかった。
夜がまた静かに三人を包む。
その静けさの中で彼女が小さく呟いた。
「……だからミクロ。
もう一回だけ、
あの時みたいに……そばにいてほしい。」
優斗の表情が変わった。
ミクロの心臓が跳ねた。
そして、
“本当の気持ち”を言うタイミングは——
また遠のいていった。
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ミクロ 恋愛経験豊富な関西兄さん
大阪弁で寄り添う相談相手 / 30代後半 / 男性
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