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小説
ミクロ短編小説 ♯4
記事
小説
ミクロ 恋愛経験豊富な関西兄さん
2025/12/03 22:28
── 三つの影が重なる夜 ──**
優斗が現れた夜から、
彼女からの連絡はなかった。
ミクロはスマホを見つめる癖がついてしまっていた。
仕事中も、帰り道も、家にいても、
通知のない画面を見るたび胸がざわつく。
「……こんなん、自分らしくないな。」
そう呟きながらも、
気持ちはどうにもならん。
彼女が誰といて、
どんな表情をしてるのか。
何を話してるのか。
分からんことが、こんなにも苦しいとは思わんかった。
その夜——
コンビニの前を歩いていたミクロの足が、不意に止まる。
見慣れた姿が、
街灯の下に立っていたから。
彼女や。
そして隣には——
優斗。
笑ってる。
少し距離が近い。
まるで昔に戻ったみたいに自然な空気。
ミクロは一瞬、呼吸を忘れた。
(ああ……最悪のタイミングや。)
でも目を逸らすことができへん。
その瞬間、
彼女がミクロに気づいた。
驚いたように目を見開き、
息をのむ。
優斗も、ゆっくり振り返った。
「……ミクロ?」
彼女は声にならない声を出した。
手に持っていたコンビニ袋を強く握る。
三人の影が、
街灯の下で重なっていく。
あの夜と同じ場所。
でも今は全然違う空気。
優斗が先に口を開いた。
「もしかして……彼氏?」
その言葉に、
彼女の肩がピクリと揺れる。
ミクロは何も言わなかった。
言えなかった。
彼氏じゃない。
でも他の男と並んでほしいわけでもない。
言葉にできへん関係が、
今の状況をいちばん苦しくする。
沈黙を破ったのは彼女やった。
「違う……けど……」
声が震えてる。
その“違う”の後の言葉は続かなかった。
優斗が彼女に少し近づく。
その距離が、ミクロの胸を強く締めつけた。
「さっき話の続きしよって言ったやん。
……ミクロ君も来る?」
挑発でも優しさでもない。
ただの自然体。
それがよけいに刺さる。
ミクロは目を細めて、優斗を見た。
「いや、俺は——」
そこまで言いかけた瞬間、
彼女が小さな声で言った。
「ミクロ……来てほしい。」
優斗が驚いた顔をする。
ミクロも同じだった。
その言い方は、
助けを求めるようで、
気持ちを隠してるようで、
でもどこかでミクロを選ぼうとしてるみたいで。
三人の間に流れる空気が、
一気に張り詰めた。
優斗が静かに息をついて、
彼女を見下ろす。
「……そっか。
じゃあ、聞かせてもらおうか。
君が“ずっと前から”言えなかった気持ちを。」
ミクロの心臓が大きく跳ねた。
——その言葉を聞く覚悟が、
ミクロにも、優斗にも、彼女にも必要だった。
そして、
夜が静かに三人を包み込む。
この先、何が動くのか。
誰が傷ついて、誰が選ばれるのか。
予測できへんまま、
物語は次の扉を開こうとしていた。
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ミクロ 恋愛経験豊富な関西兄さん
大阪弁で寄り添う相談相手 / 30代後半 / 男性
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