Raspberry Piにアクセスするには?

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Raspberry Piにアクセスするには?

Raspberry Pi にアクセスする方法が幾つかあります。基本は、本体にキーボード、マウス、ディスプレーを接続して普通に使う方法です。もう一つは、ネットワークを経由して使う方法があります。この記事では、Raspberry Pi をどのように使うかをまとめてみました。


ローカルアクセスとリモートアクセス

専門的な言い方をすると、Raspberry Pi にアクセスする方法は大きく二つの方法があります。ローカルアクセスとリモートアクセスです。

簡単に言うと、ローカルアクセスが普通の使い方で、Raspberry Pi の本体に、キーボードやマウス、ディスプレーを繋いで使う方法で、通常の PC などはこの方法で利用するのが普通です。一方でリモートアクセスは、「別のコンピュータ」から Raspberry Pi にアクセスする方法で、通常はネットワークを経由してアクセスを行います。


普通に PC の様に利用する場合は、ローカルアクセスで良いのですが、リモートアクセスができると利用の範囲が広がって便利ですし、ネットワークの仕組みも理解しやすくなります。

ローカルアクセスは簡単!

ローカルアクセスは特に特別なことは必要ありません。キーボード、マウス、ディスプレーを Raspberry Pi に接続すれば利用可能です。これで、ミニコンピュータとして利用できます。大きさはタバコの箱程度でデスクトップの OS を入れておけば、一通りの機能を利用する事ができます。Web サイトを見たり、メールを送ったりする程度の用途ならば十分に実用レベルです。

価格も手頃なので、学習用のコンピュータとしては最適です。幾つかの別の OS を試したい場合は、追加でマイクロ SD カードを購入すれば簡単に OS を入れ替える事もできるので、色々な実験をするには最適のコンピュータと言えます。


先日、Ubuntu のデスクトップ版の OS を入れてあるので、既に利用する基本的な準備はできています。ローカルアクセスが Raspberry Pi にアクセスする基本の方法になります。

幾つかあるリモートアクセスの方法

Raspberry Pi にネットワークを経由してアクセスするリモートアクセスの場合幾つかの方法があります。この記事では、よく利用される二つの方法を紹介します。

* SSH によるアクセス
* リモートデスクトップの利用
Raspberry Pi に利用される OS は Linux 系の OS が殆どなので、SSH を利用してシェル(shell)プログラムにアクセスする事が可能です。このシェルにアクセスできると大抵の設定や、文字ベースのアプリなどを利用する事ができます。インストールした OS がサーバ版の OS でも、SSH を使えばネットワークを介して別のコンピュータから Raspberry Pi にアクセスする事ができます。

SSH でアクセスするには、SSH サーバーをインストールする必要があります。 まずは、ローカルアクセスで Raspberry Pi にアクセスして、「シェル(ターミナル)」を開きます。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install openssh-server
$ sudo ufw allo ssh

SSH のサーバーパッケージをインストールして、ファイアウォールの SSH のポートを有効にしています。 これで、IP アドレスがわかれば同じネットワークに接続されている別のコンピュータからアクセスできるようになります。

Raspberry Pi に割り当てられた IP アドレスを知るには。「ip a」と言うコマンドを実行するとわかります。

$ ip a
1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1000
    link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00
    inet 127.0.0.1/8 scope host lo
       valid_lft forever preferred_lft forever
    inet6 ::1/128 scope host
       valid_lft forever preferred_lft forever
2: eth0: <NO-CARRIER,BROADCAST,MULTICAST,UP> mtu 1500 qdisc mq state DOWN group default qlen 1000
    link/ether dc:a6:32:ef:3c:6d brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
3: wlan0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel state UP group default qlen 1000
    link/ether dc:a6:32:ef:3c:70 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
    inet 192.168.86.218/24 brd 192.168.86.255 scope global dynamic noprefixroute wlan0
       valid_lft 85256sec preferred_lft 85256sec
    inet6 fe80::52df:bda9:72c1:7ea7/64 scope link noprefixroute
       valid_lft forever preferred_lft forever
$

この設定では、ネットワークは WiFi 経由で接続しているので、「wlan0」と言う部分にリストされています。eth0がケーブルによるネットワークのポートで、loがローカルの仮想ネットワークの設定です。

この場合の、IP アドレスは192.168.86.218と言うアドレスが割り当てられています。これは、オフィス内のローカルネットワークが割り当てているアドレスです。


Raspberry Pi に同じネットワークの PC からアクセスする場合には、SSH のクライアントが必要になります。 Mac や Linux の場合には、ターミナルから SSH を利用できますが、Windows を利用している場合には、SSH のクライアントアプリをインストールする必要があります。PuTTYなどが有名です。こちらからダウンロードできます。

シェル(ターミナル)やPuTTYから以下のコマンドを実行してアクセスします

$ ssh [user_name]@192.168.86.218
ユーザーネームが「taro」の場合には、

$ ssh taro@192.168.86.218
でアクセスできます。ユーザー名は、Raspberry Pi で設定したユーザー名になります。パスワードを入れると Raspberry Pi にアクセスできます。IP アドレスに関する詳しい説明は別の機会に記事を書くことを考えているのでここでは、特に説明はしません。ネットワークのアクセスに使う住所という感じで認識しておけば取り敢えずは十分です。

リモートデスクトップによるアクセス

SSH はサーバー版の OS でもネットワーク経由でアクセス可能なので便利です。実際に OS へのアクセスが含まれているホスティングサービスを利用する場合は、SSH などで、サーバーにアクセスして Web サーバーの設定などを行います。Raspberry Pi を利用すればこうした設定の練習を簡単にする事ができます。

しかし、コマンドラインによる設定は慣れないうちは面倒です。そこで、ネットワーク経由でウインドウベースの UI にアクセスできると普通の PC 感覚で利用できるので便利です。

リモートデスクトップは幾つかの方法がありますが、Windows のリモートデスクトップを利用すると Linux や Mac でも簡単に設定してアクセスできるので便利です。

Raspberry Pi 側では以下の設定を行います。

$ sudo apt install xrdp
$ sudo adduser xrdp ssl-cert
$ sudo systemctl restart xrdp
$ sudo ufw allow 3389
これで、Windows のリモートデスクトップのアプリを利用すれば、Raspberry Pi のデスクトップに別のコンピュータからアクセスが可能になります。Mac の場合 App ストアからマイクロソフトの「Remote desktop」を検索して「Microsoft Remote Desktop」をインストールすれば利用可能です。

Ubuntu の Linux からは、「Remmina」と言うアプリがインストールされているのでこれが利用できます。

リモートデスクトップも同様で、IP アドレスかコンピュータ名(標準ではraspberry)を入れれば、あとは、ユーザー名とパスワードがあればアクセスできます。この方法ならば、一度リモートデスクトップの設定を Raspberry Pi で行ってしまえば、Raspberry Pi にキーボードやディスプレを接続しない状態でも、別の PC から利用できるようになるので便利です。

まとめ
Raspberry Pi に OS を入れて基本設定ができたので、Raspberry Pi にアクセスする仕組みの準備として、ローカルアクセス、リモートアクセスについてまとめて見ました。

基本は、SSH で別の PC からアクセスできるようになっていると Web サーバーなどの設定は可能ですが、リモートデスクトップが利用できると便利です。そこで、今回は「xrdp」を利用して、Windows/Mac/Linux からデスクトップへのアクセスの設定を簡単に紹介しました。来週以降さらにいろいろな設定を通して、Linux についても解説していきます。


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