相続時精算課税制度が令和5年に改正され、110万円までの基礎控除制度が導入され、使い勝手がよくなったと、そういう風にいわれますが
注意が必要です。 もちろんメリットもあるのですが・・・。
1.相続時には申告納税が必要
相続時精算課税を使って、生前に贈与したときの贈与税を納税しなくてよいことになる、のはいいのですが、逆に、相続時には、必ず相続税申告に加算しなくてはならない。(既に生前贈与で御子息の名義になっている財産なのに、相続税では、相続財産に加えなくてはいけない)
つまり、贈与税をその時に2500万円までの贈与では納税しなくてもいい代わりに、絶対に相続税では申告しなくてはならない制度なんです。
通常、生前贈与は、贈与を受けた御子息のものになってしまうので、相続財産からは外れるので、そこから見ると、デメリットです。
2.不動産を贈与した場合のデメリット
相続で不動産を承継取得した場合には、相続登記の際に、不動産取得税は免税、登録免許税も軽減税率が適用されます。
しかし、生前に贈与では(相続時精算課税に限りませんが)、登記には不動産取得税がかかり、かなり高額です。また、登録免許税も、軽減がなく税率があ上がるデメリット。
3.小規模宅地特例が適用できない
例えば自宅を、同居・生計一つの相続人が相続した場合には、小規模宅地特例の特定居住用の土地評価額の軽減があり、80%軽減があります。これが、相続時精算課税では適用されません。1億円の土地が2000万円評価でいいところを、1億円の相続財産として取り扱うことになります(贈与時の価格で)
なので、慌てて生前に贈与することで相続税が上がってしまう。
4.お孫さんなどお子さん以外の者への贈与
贈与はお子さん以外への贈与もありますが、配偶者や一親等血族(子など)以外への贈与の場合には、相続税の2割加算が適用され、相続時精算課税で贈与した場合にも、相続税申告で相続財産に加算して、納税額が2割加算されます。結構、大きなデメリットです。
以上を考慮して、メリットが上回るような場合、以外は、当事務所では、相続時精算課税はおすすめしません。 あくまで、暦年贈与を、税効率を抑えた方法で贈与することが第一だと、考えます。ご参考まで。