国語講師のひとり言「受験の物語文はリアリズム」

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コラム
『個別の授業で面と向かっては言いにくい話をコラムにしています。ですのでタイトルも「ひとり言」。日々の指導で気づいたあれこれを綴ります。』
中学受験の国語で出題される物語文。小学生が親しみやすいジャンルのはずですが、意外と点が取れずに苦戦する子が多いのはなぜでしょうか。

一因として、読書好きな子ほど"受験用の物語文の読み方"ができていないケースがあります。

マンガ、ドラマ、アニメ、小説。物語というフィクションに慣れ親しんでいると、感動的な奇跡や劇的な変化を自然と期待してしまうんですね。

でも、受験の文章ではそういった展開はほとんど起きません。

受験用の物語文は、あくまで"現実的な人間の心の動き"が描かれています。つまりリアリズム重視。

たとえば、ケンカしていた2人が、最後に「ごめんね」と仲直りしてすべてが丸く収まる。そんな展開は、映画やテレビの中ではよくあります。

でも受験の物語文では、そんな取って付けたような展開はありえません。現実でも、そんなに急に和解するのはかなり不自然でしょう。

読み手として「こうなったら感動的だな」と願ってしまう気持ちはよくわかります。

でも受験の読解では願望は求められず、ただひたすら正確な読み取りが大事。

どこまで行っても「この文章には何が書かれているか」に愚直に向き合うことが得点への近道です。

お話の展開に夢を見すぎないこと。それが、受験の物語文攻略のカギなのです。

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